『権代敦彦作品集/きらめく光のとき−−祈り(When the Light Shines − a player)』
中嶋香(pf)
録音日2003年7月23〜25日 & 2004年1月14〜16日
DENEN HALL ELLORA
ピアノの「現在」を尖鋭に追い続ける中嶋の入魂の一作。カトリック信仰に基づいた独自の精神世界に音を紡ぐ権代敦彦に、中嶋が委嘱した作品(1つだけ三宅はるな委嘱)を集めた。いつもながらの権代的「十字架への道・光への道」とか「神の恩寵」といったタイトルや言葉に、「この宗教臭は、どーも」とつい引き気味になるのだが、しょっぱなの音のあまりの魔女的美しさ(真っ暗な底なし井戸をそっとのぞきこんだら、うわ、強烈にキラキラ輝くものが・・・。まさに彼女の音の罠!)に、どんどん引きずり込まれたのだった。ボディ打音や、生声もアリのピースは、物質(モノ)とヒトの“あるべき姿”まで示唆するかの如き深さ。とりわけ、ディスク2最後に収められた「青の彼方へ」の低音オスティナートの逞しさ、その天上に煌めく高音のまたたき、重層するリズム、ハーモニクスなどなど、中嶋の冴えた創音が築く壮大な響きの溶暗と溶明の世界に、しばし頭を垂れ。(丘山万里子) JT