『ニック・ベルチュ/ストア』
ニック・ベルチュ( p, Fender Rhodes) シャー(b, bcl) ビョーン・メイヤー(b) カスパー・ラスト(ds) アンディ・プパート(per)
1.モジュール
36 2.モジュール 35 3.モジュール 32 4.モジュール 33 5.モジュール 38_17
録音: 2005年5月 スタジオ・ラ・ビュイッソンヌ、フランス
エンジニア:ジェラール・ド・アロ
プロデューサー:マンフレート・アイヒャー
CDを聴き耳を疑い、ライヴに接し唖然とした。国技である相撲の目指す究極として「心・技・体」の三位一体ということがいわれるが、ある意味で彼らの演奏がかなりのレヴェルでそれを実現している。CDを聴いて生(ナマ)の演奏であることになかなか得心がいかなかったが、ライヴがすべてを証明した。とくにグルーヴを生み出す根源となるドラムのキック。正確で永遠に持続するかのようなビート。フィジカルな鍛練はどのようになされているのだろうか。ピアノやベース・ギターのミニマリスティックな反復演奏と微妙な変化。音楽以外の興味はやがて彼らの生み出すグルーヴとマジックに圧倒され、彼らの世界に没入していく。CD制作にあたってはさまざまなノウハウが駆使され極めて完成度の高いアルバムになっているが、ライヴではダイナミズムの変化がとって代わりマンダラ・ファンク((c)堀内宏公)の様相が強くなる。“コロンブスの卵”的側面がなくもないが、このレヴェルでやられるとそれはすでに彼ら独自の創造行為である。
『メセニー・メルドー』の妖しさにも惹かれたが、メルドー・トリオの来日演奏(東京オペラシティ)に失望したために印象を落とした。メルドーのピアノはペダルを多用したニュアンスが生命だが、音響が悪く音楽が一向に立ち上がってこなかった。去年のトリフォニーの『ソロ・ライヴ』(ただし、
Nonesuch版)によりスリルを感じた。JT (稲岡邦弥)
*『ニック・ベルチュ/ストア』 CDレヴュー
http://www.jazztokyo.com/newdisc/komado/store.html
*ニック・ベルチュ・ライヴ・レポート
http://www.jazztokyo.com/live-report/v110/v110.html
*ニック・ベルチュ・インタヴュー
http://www.jazztokyo.com/interview/v48/v48.html