『Syntopia Quartet / Mars』
Albrecht Maurer - violine, gothic fiddel
Claudio Puntin - clarinet,
Bassclarinet
Dieter Manderscheid - bass
Klaus Kugel - percussion, soundobjects
1. Goodby Earth 2. Chryse Planitia 3.
Tempe Terra 4. Elysium Planita 5. Valles Marineris 6. Olympus Mons 7. Newton
Basin 8. Chasma Boreale 9. Back To Earth
Recorded & mixed by Albrecht Maurer,
August 2003.
Produced by Albrecht Maurer & Klaus Kugel.
今年のベストは春先に聴いた本作『マース(火星)』で早々に決定。秋に聴いたフランソワ・クチュリエ『タルコフスキーへの歌』、トマシュ・スタンコ『ロンターノ』(共にECM)がその地位を脅かしたものの、わずかに届かず。しかしながら、まるで意識と無意識が手を取り合ってダンスをしているかのようなジントピア・クァルテットによるこの演奏は本当に素晴らしい。作為を感じさせない自然な歓びに充ち溢れている。約
64 分の間、宇宙的と言ってよい飛翔感と淡い詩的情感が渾然一体となって胸に迫ってくるが、時々訪れる響きの新鮮な美しさに何度となく気を失いそうになる。全方位から打ち寄せる多中心化した活力の波動。ニューロン・ネットワークが自然や宇宙と接続して、全物質の時空の内部を走り抜けていく。今年の6月、スウェーデンのトラッド・フォーク・バンド「ヴェーセン」のライヴを聴いた際に体中の細胞が共震する不思議な感覚を味わったけれど、本作『マース』から広がる響きの世界は、そのときの感触に深い所でつながっている感じもする。観自在菩薩が舞い降りた奇跡の演奏。JT (堀内宏公)