Label Bleu/ビデオアーツミュージック
VACB-1002/LBLC6679

『AFRICAN FLASHBACK』

Aldo Romano(ds,g) Louis Sclavis(cl,bcl,ss) Henri Texier(ds)
Gui Le Querrec(LEICA=Photos)

録音: 2005年4月18日〜21日 Studio Gil Evans
エンジニア: Philippe Teissier Du Cros
マスタリング: Raphael Jonin,DYAM(Paris)
プロデューサー: Pierre Walfiz

 先ず、ラベルブルーらしい澄み切ったアコースティックな響きが実に心地よい。このところ録音以前に出音そのものに疑問を感じる作品が少なくない中で本作は 3人の卓越したテクニック、音色が見事にクローズアップされてちりばめられており、強く印象に残った作品の一枚である。スクラヴィスはECMの諸作に比してより自由にソロを楽しんでいるようでもあり、7曲目、H.テキシェ作<シュール・ポリティック>ではソロの途中でA.アイラーの<ゴースト>のテーマを流用するなど余裕とユーモアも持ち合わせている。H.テキシェ、A.ロマーノも単にリズムを刻むだけでなくスクラヴィスと対等にインプロヴァィズしているが、ひところのフリー・フォームのような緊迫した切実感はなく、むしろリラックスした爽やかさが全体に漂っているのはやはりパリの空気感ゆえか。
 アフリカン・トリオとして通算 3枚目の本作は写真家集団・マグナムフォトの一員ギィ・ル・ケレックがアフリカで撮った作品をインスピレーションの源として、3人が作曲した曲(13曲)が巧みに配列されあたかもひとつの組曲のように構成されている。本作は装丁もかなり凝っていて、前作と同様、2cm厚のボックスの中にCDとケレックの写真集が収められており、100点ほどのモノクロ写真が載っている。つまりCDと写真集が対等に扱われて箱に収められている訳である。ネット配信で手軽に音楽を楽しむというような最近の風潮とはまったく逆行した、丁寧で緻密なつくり方は今後のひとつの方向を示唆しているように思え、この一枚にした。JT (望月由美)

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