Nonesuch/ワーナーミュージック
WPCR − 12454 ¥2,552(税込)

『パット・メセニー+ブラッド・メルドー/メセニー・メルドー』

パット・メセニー( g)ブラッド・メルドー(p)
ラリー・グレナディア( b)+ジェフ・バトラー(ds)〜4.7のみ

1.アンリクワイテッド 2.アーミッド -6 3.サマー・デイ 4.リング・オヴ・ライフ5.レジェンド 6.ファインド・ミー・イン・ユア・ドリームス 7.セイ・ザ・ブラザーズ・ネーム 8.バチェラーズ3 9.アニーズ・ビタースウィート・ケーキ 10.メイク・ピース

プロデューサー:パット・メセニー
録音: 2005年12月@Right Track Recording, NY
エンジニア:ピーター・カラム

 この1作が必ずしも他を断然圧する作品だったというわけではないが、強く印象に残って忘れがたい顔合わせであり、演奏であり、サウンドであった。サウンドと敢えていう理由は、両者が楽器の特性を知り抜いた上でダイアローグ(音による対話)を完成させたことがとりわけ印象的だったからである。というのも、ピアノとギターは楽器自体の構造は違うが、メロディーとハーモニーを軸にサウンドを展開する機能と演奏手法に共通する部分が多く、ややもすれば相互の音が重なりあってプロセスが不明瞭になりがちだからだ。ギターとピアノのデュエットではビル・エヴァンスとジム・ホールによる名盤があるが、あの名手でもこうした落とし穴を完全に解決したとはいいがたかった。ところが、メセニーとメルドーはこの危険を熟知した上で、これを回避するだけの技と意識はもちろん、相互の音楽的関心を高めあう術を尽くしていた。そのことがこの対話を聴くとよく分かる。そこに大きな感銘があった。メセニーがジョシュア・レッドマンのもとで演奏したメルドーの演奏に出会って以来関心を高め、一方メルドーも 13歳のときに聴いたメセニーの『Travels』の中の1曲が彼の生涯を決定づけるほどの衝撃を持ち続けた。それが歳月を経て機が熟したとき両者は決意し、そして対話のときを実現させた。その充実した音楽的成熟と思索の跡がこの1作の2人の対話にはっきり見える。どちらも相手に妙な遠慮をすることなく、それでいて一編の詩的な対話集を成し遂げた2人の、これは一種の音楽的捧げものであるに違いない。JT(悠 雅彦)

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