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『高橋アキ/ Iannis Xenakis : Complete Works for Piano Solo』
( Xenakis Edition Vol.4)

作曲:イアニス・クセナキス( 1922-2001)

1. エヴリアリ Evryali (1973) 2. ディクタス Dikhthas (1979) 3. ヘルマ Herma (1960-61) 4. パリンプセスト Palimpsest (1979) 5. 6つの歌 Six Chansons pour piano (1950-51) 6. ミスツ(霧) Mists (1980) 7. ア・ル(ラヴェルへのオマージュ) A.r. (Hommage a Ravel) (1987)

高橋アキ(ピアノ)/ジェーン・ピータース(ヴァイオリン) [2]/ソサエティ・フォー・ニュー・ミュージック [4]

24-bit digital remastering

2000年リリース作に全面リマスターを施し、世界初録音となる初期作品<ピアノのための6つの歌>を加え一段と輝きを増した宝石のような一枚。最高難度の技巧を要求するクセナキスの作品は限られた数の演奏者しか近寄ることを許さないが、なかでも高橋アキは生前の作曲者から特別に認められていた存在。楽譜に記された音符の現実化に可能性の極限まで努め、それがゆえに、存在(有)と非在(無)を結ぶメディエイター(調停者)として、瞬く音群の光のなかへ消えることができる稀有なピアニストである。明滅する光の向こう側では、日常の小さな出来事と遥か彼方で起こっている事態が結びつき、往還する。たとえば<ヘルマ>を聴いていると、庭に雨の雫がぱらぱらと落ち始め、やがて本降りとなって風で雨足がゆらぎざわめき…といった情景が、いつしか宇宙の無限遠で渦巻く星雲へと変成し、音を聴いている自分が時空を超えた「どこか」「だれか」に掏り替わっていく。悠久の時を超えて息づく、神々と人間の崇高な対話篇といった趣も味わい深い。詩的な優美さに溢れた高橋アキのピアノは、クセナキスの音楽が自然世界への注目を起点とする本質的にロマンティックなものであることを明らかにしているように思う。JT (堀内宏公)

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