CARCO CARCO 0008 制作・販売:(株)林泉

『渋谷毅・石渡明廣/月の鳥』

渋谷毅 (p) 石渡明廣(g)

録音:2006年4月13 &18日、5月23日 
於:なってるハウス
レコーデイング・エンジニア:島田正明 
プロデューサー:渋谷毅

 渋谷毅の自主レーベル「 CARCO」は1989年、渋谷毅オーケストラのピットイン『LIVE 1989』からスタートした。以来オーケストラおよびその周辺の作品の制作を手がけ本作が8作目にあたるが、これからはオーケストラのメンバーとのデュオ・アルバムもしくはトリオを逐次制作してゆくという壮大な計画の第一作目にあたる。スタンダードと峰厚介の曲、2曲を除いて全曲デュオの相手、石渡のオリジナルで構成されている。石渡の音はもし渋オケのCDから他の楽器を全て取り除くことが出来たとしたらおそらく同じサウンドで聴こえるだろう。しかし、そこに渋谷毅のピアノが絡むとまったく異次元の世界にとんでしまうところが面白い。オーケストラの風情をただよわせつつ渋谷毅の香りが見事に立ちのぼるのだ。
 渋谷毅は自分の思いを詰め込む大変な凝り性でもある。前作の『武田和命カルテット1988』も編集に凝ったためリリース予告の時期よりも遅れての発表となったが、本作も 4月に一旦録り終え更に5月にもう一度録音し、ミックスダウンやマスタリング、ジャケットの質感にも徹底してこだわったと伺っている。
 また渋谷毅の活動の領域は驚くほど幅広い。ポップ・アーティストとのレコーディングから CFの作曲、話題作「嫌われ松子の一生」の映画音楽の制作、更に「エッセンシャル・エリントン」や「渋谷毅オーケストラ」のツアー、様々なジャンルの女性ヴォーカリストとの共演、ジャズ・フェスティバルへの出演等々正に八面六臂の活動で超多忙なスケジュールをこなしての2006年、本作品はまた新たな創作のスタートの第一弾であり、そのスタートを記念して今年のこの一枚としたい。JT (望月由美)

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