doubtmusic dmf-124(CD)/125(DVD)

『今井和雄トリオ / ブラッド』

今井和雄(g), 伊東篤宏(optron), 鈴木學(electronics)

disc 1 (CD)
1. Cartoon (Annette Peacock)
2. Nothing Ever Was, Anyway (A. Peacock)
3. Blood(2nd take) (A. Peacock)
4. Saranande (Johann Sebastian Bach)
5. Subconscious-Lee (Lee Konitz)
6. So In Love (Cole Porter)
7. Well You Needn’t (Thelonious Monk)
8. Il n’y pas d’amour heueraux (Georges Brassens)
9. Albert’s Love Theme (A. Peacock)

disc 2 (DVD)
1. Butterflies That I Feel Inside Me (A. Peacock)
2. Paroxysm (Imai kazuo)
3. AW-1 (K.Imai)
4. Il n’y pas d’amour heueraux (Georges Brassens)
5. KK-1 (K. Imai)
6. Blood (1st take) (A. Peacock)
7. Extra Movie

Recorded on 19 July 2008 at GOK Sound System L studio & 25 August at GOK Sound System A & B studio, Tokyo

このトリオを聴いた時に「機械仕掛けのジャズ」という言葉がふいに思い浮かんだ。なぜならば、ギターの今井以外のメンバーは、自作エレクトロニクスの鈴木學と蛍光灯を楽器オプトロンとして持ち入る伊東篤宏(彼は即興演奏家やファンの間ではもはや伝説になったオフサイトというスペースのオーナーでもあった)だからである。ライブの後で言葉を交わした時、今井は「伊藤のオプトロンから出るノイズをリズムとして扱い、鈴木の自作アナログ・エレクトロニクスから出すサウンドを一種のハーモニーとして見立てている」と言っていた。この発想を面白いと思った。ジャズの持つ身体性はアナログ・エレクトロニクスあるいはオプトロンというアナログなサウンド装置を用いることで温存し続けている。だが、ライブとCDではサウンドの印象が違った。たぶん音のバランスの問題だろう。ライブではノイジーな世界の中で今井のギターが浮かび上がったり、沈んだり、それはアブストラクトな絵画の中から具象的なモチーフが浮かび上がり、それらが重層的に存在したかと思えば、また消えていく、そのような印象だった。しかし、本作では今井のギターがひとつのラインを創っているのがよくわかる。これは「機械仕掛けのジャズ」ではなく「機械仕掛けのトリスターノ」ではないか。トリスターノ・スクールの系譜を感じたのは、バッハの作品を取り上げていることだけではなく、師であった高柳昌行がトリスターノのコンセプトを追求していたその影響があるからかもしれない。もし高柳のスピリットを継ぐミュージシャンがいるとしたら今井以外にいないだろう。今井のギターは秀逸、即興音楽界では世界でも指折りのギタリストだと私は思っている。JT (横井一江)

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