緊急座談会 風雲急を告げるジャズCDマーケット

出席者:

A
メジャーOB。
現ジャズ・インディー・オーナー
B
メジャーOB。
現総合音楽メーカー・ジャズ担当ディレクター
C
メジャー・ジャズ担当ディレクター
D
メガストア・商品本部ジャズ・バイヤー

司会:
Jazz Tokyo編集長
稲岡邦弥
2009年12月21日
於 ストレンジ・フルーツ社会議室
註:
「メジャー」とは、社団法人日本レコード協会を構成する正会員19社、「インディー」はそれ以外の独立系レーベルを指すことが多い。

♪ 今後どのように展開していくのか

司会:ジャズとクラシックを中心とするウェブ・マガジン「Jazz Tokyo」の編集長としてマーケットを俯瞰できる立場にいるのですが、どうやら日本のジャズ・マーケットが風雲急を告げ出したような気がしています。今日は、4人の立場の異なるジャズ関係者にお集りいただき、ジャズ・マーケットの現状と行く末について率直なご意見をお聞かせいただきたいと思います。
いきなりですが、業界とマーケットは今後どのように展開していくとお考えでしょうか。

A:世界最大の音楽企業であるユニバーサルミュージックグループの日本法人の独立した部門であった「ユニバーサル・クラシックス&ジャズ」が解体し、洋楽の中の1セクションとして吸収されました。これは象徴的な出来事で、音楽を売る事には変わりはないものの、従来のようなCDパッケージ、DVDパッケージの販売だけではビジネスが成り立たなくなって、配信も含めて新しい形で音楽を売っていくということの証しでしょうね。外資系の場合は、親会社の意向もあるでしょうが、レコード会社としてのスタンス・役割が変わっていくことの現れではないかと思います。

司会:私も最近耳にしたばかりですが、このニュースには驚きました。ユニバーサルは伝統のあるDGG(註:ドイツ・グラモフォン)を抱えていますし、ECMが40周年を迎え、何かと話題が多かっただけに、予想外の出来事でした。

A:レコード会社のディレクターやプロデューサーがどんどん外に出てインディー化していく。いわゆるレコード会社としては、原盤制作会社を外に配して、販売に比重がかかっていくだろうと見ています。

司会:アメリカのレコード業界に近い構図ですね。

B:日本のメジャーの経営者は、何年か前にアメリカ型のモデルを想定して、急速にパッケージ商品(註:CDやDVDなど)が消滅してDD(註:デジタル・ディストリビューション=配信)中心に移行していくだろうと予測したのですが、数年経過してみると必ずしもそうはなってはいかなかったんですね。パッケージとDDの棲み分けにはアメリカ、ヨーロッパ、韓国、香港など各国で微妙な違いが出て来たんです。

司会:各国にはそれぞれ文化やデジタルの浸透度の差がありますからね。

B:日本には独自の日本型のモデルが見えてきて、僕は日本ではスーパー・パッケージとストリーミングの棲み分けに集約されていくだろうと考えています。日本のDDは今のところ80%以上が携帯中心ですから、いわゆる若者向けのヒットものですね。クラシックやジャズは対象になり難い。しかし、その携帯への配信も今年(註:2009年)の9月に踊り場に入りました。
C:そうですね。完全に踊り場に入って伸びが止まったままですね。
B:わずかですがマイナスになっています。おそらく、後年になって,2009年の9月という月が配信のターニング・ポイントになった月として記憶されることになるだろうと思います。

司会:何か原因があるのですか。

B:「飽き」でしょうね。携帯に音楽を取り込んでイヤホンで聴くという行為に飽きてきた。どんな人でも同じ事を1000回も繰り返せば飽きてしまいますよ。

司会:現状ではパッケージと配信のシェアはどうなってますか。

B:パッケージ75%に対し配信25%ですね。配信のうち、ジャズとクラシックで数%です。日本ではPC(註:パーソナル・コンピュータ)へのダウンロードが少ないのですが、アメリカでは50%以上がPCという数字が出ています。
A:アメリカでのPCの浸透度の高さと日本の携帯の機能性によるものでしょうね。

司会:スーパー・パッケージというのは?

B:たとえばユニバーサルから出た『カーペンターズ』のようにLP時代のような豪華ブックレットが添付されたCDですね。

司会:ECMは何年か前から配信と棲み分けるために写真やテキストを豊富に収めたブックレットを添付し、プラケースに紙のスリックを被せて質感を上げていますよね。これはCDの付加価値を高めるためのひとつの手段だと思いますが。

B:そうですね。物フェチが多い日本型のモデルはスーパー・パッケージ的なCD とストリーミングの二元化になると思います。ダウンロード型の配信は落ちると思います。その中間の廉価盤的な商品は日本で制作せず、輸入盤で賄えます。僕はすでにストリーミングの契約をしていて、好きな現代音楽などはほとんどストリーミングで楽しんでいます。

司会:ストリーミングというのはダウンロードしながら再生していく、“聴きっ放し”というやつですよね。保存はできない。ストリーミングの現状についてはあとで詳細を伺うとして、Cさんは如何ですか。

C:僕はレコード会社は本来の姿に戻るべきだと思います。レコード会社は新しいアーチストを発掘し育てていくという本来の役目を怠けてきた。苦し紛れにカタログの廉価盤シリーズでその場限りの売上を上げてお茶を濁してきた。
今のセールスのガタ落ちはそのツケが廻ってきたんだと思います。2008年は売上が落ち込んで危機感を抱いていたのですが、今年はその60%程度にしか届かないのではと思います。メーカーはやはり時間とお金をかけて魅力的なアーチストを発掘して育てていかないといけない。そうしないと新しいリスナーも獲得することができないと思います。

司会:まるでデフレ・スパイラルのようにカタログの廉価盤シリーズの価格がどんどん下がっていきましたね。一方で新人発掘や新録の制作がないと、と危惧していましたが。

D:ショップの現場でももうカタログの廉価盤シリーズはだぶついていますね。
同じ商品が何度も再発されていますし。それと廉価盤シリーズがすべて売れているかというとそうでもない。ベストセラーが売れて残りのロスを埋め合わせてシリーズが成立している。

司会:ショップの今後をどのように見ていますか。

D:そうですね、やはり魅力のある新人が欲しいですね。話題のスターが生まれれば売り場にはお客さんは増えるものなんです。われわれもメーカーからの供給を待つだけでなく、われわれ自身で新しいアーチストを積極的にサポートしています。ポスト上原ひろみ的な存在としてのManami Morita。それからスガダイローですね。それと、すでに始めていることですが、お客さんを呼ぶ込むための積極的なプロモーションの展開ですね。たとえば、インストア・ライブ。少し厚く仕入れるときは必ずイベントを仕込みます。極端にいうと、イベントを仕込めるアーチストを優先的に仕入れています。

♪ 現状は

司会:現状は相当厳しいようですね。

A:厳しいですね。ジャズの新録新譜でいうと、初回の数字(註:イニシャル注文数)が付かない。今では「夢の2桁台」と自嘲していますが。

司会:それはバック・オーダーの体制が完備しているからですか。

D:それもありますが、在庫を持ちたくないという気持ちがあります。
A:間口(註:ショップ)が減っていますね。新譜を仕入れてジャズを常備する店が全国で100を切ってるんですよ。
B:全国で90店前後ではないですか。僕は音楽業界の今年の流行語大賞は「リアル・ショップ」ではないかと思っているんですが、Amazonなどのネットの「ヴァーチャル・ショップ」に対する言葉です。「リアル・ショップ」と区別されるほど店舗の数が激減しています。ニューヨークではついにメガストアが1店もなくなりました。タワーもHMVも閉めました。
A:ユニオン・スクエアのヴァージン(メガストア)がクローズして終りのようですね。残っているのは、本屋や電気店の中のCD売り場だけですね。
C:ですから来日したミュージシャンをタワーなどに連れていくと驚喜するんですよね。日本にはまだCDショップがあるんだ!って。自分の旧譜を買い込んで帰って、ブログで嬉々としてリポートしていましたね。

司会:タワーレコードだけでも全国で相当数ありますよね。

B:タワーは現在全国で80店ですか。その中でジャズに力を入れている店を含めても初回が3桁にならないことも多いんですよ。
C:その通りですね。初回がそういう低い数字ですから、カタログの再発ものは70%以上が赤字です。黒字になるのはやはりアーチストの新録ものですね。
B:それと問題は輸入盤の安さですね。たとえば、ヴィーナス(レコード)の1,500円の紙ジャケ再発がシリーズの横に、マイルスの輸入盤が1,000円で並んでいたりする。そうすると3,150円を上限とする新録新譜にはなかなか手を出してもらえない。

司会:輸入盤の低廉化は円高によるものですか。

D:それもありますが、この現象はどういうことかというと、ETCで高速料金が一律1,000円になった時点で、「1,000円」がひとつのキーワードのようになってしまった。そうなると、売り場としては1,000円で売れる輸入盤を探すことになる。1,000円で輸入盤が売れて利益もとれるとなるとそちらにシフトしてしまうことになるんですね。
B:1,000円ですとほとんど週刊誌感覚で、本来必要のないものまでついでに買ってしまうんですね。新録新譜1枚分で3枚買えてしまうわけですから。それともうひとつは「1,000円ファン」というのがいて、ナクソスという全カタログ1,000円台というレーベルがある。ここはクラシックの3,000種の新録を1,000円台で販売していて、ここのファンはおそらく3,000円前後の新譜は買わないでしょうね。
C:だからこそ、3,000円払っても買いたくなる新譜を制作しないといけないんですよ。レコード会社はそういう努力を怠ってきましたね。

司会:ところで、ネット通販のシェアはどれくらいになってますか。

B:ジャズ、クラシックでは20%前後ですね。平均では、13.8%と出ていますね。地方に住んでる友人の例ですが、1店だけあるCDショップでは欲しいCDが全然手に入らない。ネット通販ではほとんど入手できるから、CDはネットでしか買わない,と言ってます。
C:ジャズに限っていえば、Amazonとタワーの売上が肩を並べていますね。
A:ジャズの場合、見逃せないのは即売ですね。ホールやクラブでの。これが以外に多いんです。たとえば、あるCDが3,000枚売れたとして店頭やネットで1,000枚、即売で2,000枚というケースがあります。

司会:ナマを聴いて、良かったからCDも買って帰る、ということですね。あるいは持っていない2枚目、3枚目のCDを買うというケースもあるでしょう。CDを買う衝動を起こさせるナマ演奏の魅力というのはそれだけ強いということですね。配信のシェアはどうですか。

B:ジャズの場合、数%いくかどうか。
C:そうですね、数%前後でしょう。
B:ジャズの配信の場合、配信独自のコンピレーションというのがあって、ブルーノートの70周年を記念したブルーノートの名曲70選に人気が出てiTunesのチャート上位にランク・インしていましたね。これは70曲で1,500円ですから、クラブ・ジャズのファンも買っていたようですね。

司会:日本のAmazonがいよいよ配信も始めるようですね。CDのお客と同時に配信のお客も取り込もうということだと思いますが。

B:アメリカではすでにスタートしているAmazonMP3ですね。配信を受けて、 どうしても手元に置きたいCDはネットを通して買う。何だかパソコン1台あればすべて済んでしまう感じですが。僕はかなりストリーミングを活用していますが、それでも会社が退けたあとは必ずタワーの渋谷店と新宿店に寄って帰ります。店によって品揃えが違うし、値段も微妙に違う場合があるんです。それとネット以上の情報を得る目的もありますが。先にDさんから出た「ポスト上原ひろみ」のManami Moritaの情報もタワーで得たんですね。タワーのビデオで流していた演奏スタイルに目が行って。

♪ ストリーミングをめぐって

司会:Bさん、ストリーミングの現状を少し詳しく説明してもらえませんか。

B:僕の場合ですが、ナクソス(註:ナクソス・ミュージック・ライブラリー)というストリーミング配信と契約していて、月額1,860円支払うと約30万曲が好きな時に好きなだけ聴けるんです。もちろん、ナクソスの3,000枚あるCDは全曲、それに僕は現代音楽が好きなのですが、あのWERGOのカタログ全曲もパソコンを通じて自由に聴くことができるという信じられない状況にあります。図書館に自由にアクセスできるようなもので,仮にこれをCDで実現しようとすると途方もない金額とスペースが必要になるわけです。

司会:ジャズはどうですか。

B:たとえば、ENJAは300種以上のカタログが全部収録されています。

司会:しかし、僕など考え方が古いのかも知れませんが、音楽を単なる情報として捉えて良いのかという割り切れなさも残るのですが。

B:たとえば、グールド(註:カナダ出身のピアニスト、グレン・グールド)の演奏をできるだけ多く聴きたい、というような場合もありますよね。僕は、ジョン・ケージのほとんどすべてのCDをストリーミングで聴いて、初めてケージの全体像をつかむことができたんです。音楽大学の学生などにはもってこいでしょうね。ウチの息子も今や音楽をCDという形態で所有することなんて格好悪い、というような考え方をしているようです。ナップスターと契約すれば、ロックやポップスもカバーできますし。

司会:音のクオリティはどうなんですか。

B:通常のリスニングでは問題ないと思います。とくに高音質にこだわる場合にはONKYO(註:e-onkyo music)の 24bit/96khzの配信サービスもあります。
カタログ数はまだまだですが。

♪ マーケット活性化のために

司会:それだけ落ち込んだCDマーケットを活性化するためにどのようなことを考えられてますか。

C:僕は、ジャズの入り口としてのいわゆるフュージョンとビッグバンドに目を付けています。僕自身、マイルスの『カインド・オブ・ブルー』やビル・エヴァンスの『ワルツ・フォー・デビー』を本当に素晴らしいと理解できるまでにかなり時間がかかっているんです。そういう意味で、90年代にフュージョンを取り上げた伊藤八十八さん(註:SONYミュージックのジャズ・プロデューサーOB)の功績を高く評価しています。伊藤さんは、「良質なビジネスは良質な文化性を帯び、良質な文化は良質なビジネス性を帯びる」を地でいった方ですね。当時ジャズ・プロパーの人たちからはフュージョンなんて、という目で見られたと思いますから。
D:そうですね。僕もフュージョンからジャズに入りました。マイルスの『カインド・オブ・ブルー』の本当の素晴らしさが分かるまでに僕も大分時間がかかりました。新しいジャズ人口が増えない原因のひとつとして専門誌にも問題があると思うんです。いわゆる名盤、定番主義というのがあって、必ずまず名盤を聴け!と来るんですね。だけど、初めて『カインド・オブ・ブルー』を聴いて分かる人が何人いると思いますか。他の名盤・定番も同じです。それで、ジャズって難しいってくじけちゃう人が随分多いと思うんですよね。先日、中山康樹さん(註:元『スイング・ジャーナル』誌編集長)から同じ意見を聞いて「やはりそうだったのかと」と納得しました。今の若い世代はマイルスといえばむしろ『オン・ザ・コーナー』を支持すると思うんですね。発売当時は反対意見も多かったと思うんですが。ですから聴き方は時代によっても変わると思いますね。
A:なるほどね。
C:ヒッグバンドですが、大抵の中学校・高校には吹奏楽(のバンド)がありますよね。最近の高校には吹奏楽とビッグバンドの両方あるところも多いんですよ。フュージョン華やかなりし頃は皆、ギターがキーボードを提げていたようですが、今は圧倒的に管楽器なんですね。その人たちが大学のビッグバンドに入る。山野のビッグバンド・コンテストも大人気で、来年は2千人のホールから3千人級のホールへ会場を移すそうです。今年も1万人くらいの集客があって現状では収容し切れなくなっているんです。
A:先頃来日したヴァンガード・ジャズ・オーケストラ(註:NYの老舗ジャズクラブ「ヴィレッジ・ヴァンガード」をホームグラウンドとするビッグバンド)も大変な人気でブルーノートは連日満員でしたね。熱気もすごかった。
C:吹奏楽は全国で非常にシステマチックな組織ができていることもあるんですが、吹奏楽の先生にジャズが好きな人も多いようですね。それとジャズの活性化の一番の特効薬はスター創りですね。ジャズ界の“石川 遼”が欲しい。女子ゴルフ界でも宮里藍が人気者になって、宮里に続けとばかりに横峯さくら、諸見里しのぶ、上田桃子らが続々出て来て一気に女子ゴルフの人気が沸騰した。
男子ゴルフ界も石川遼ひとりで人気を挽回できた。
D:そうですね。スター性のある若い人が欲しいですね。
A:小曽根真がデビューした当時はそういう雰囲気がありましたけどね。テクがすごくて本場アメリカのレーベルと契約した、という話題性もあってね。
B:ジャズも上原ひろみが人気者になりましたが、彼女はじつはジャズ以外のファンが買っているんですね。上原自身もルーツはジャズとは関係ないんです。アメリカで孤軍奮闘しているライフスタイルが受けているところがあるんですね。

司会:そうですか? 彼女のインタヴューなど読むと小さい頃からジャズに興味を持っていたように受け取れるのですが。彼女は綾香や矢野顕子などジャズ以外のミュージシャンとも積極的に交流していますよね。

C:ジャズと違ってクラシックの方は順調にスターが出ているんですよね。日本の奏者で5万(枚)、10万(枚)を超える新人が次々に出ている。
A:上原も10万を超えるものもありますよ。
B:そして、時に辻井(註:伸行。第13回バン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで優勝)のようなピアニストが出て、30万枚を超えるセールスを記録する。 これは、クラシックを目指す生徒の裾野の違いだからある意味で仕方がないですね。全国の学校にコンサート・アーチストを目指す生徒がいるわけですから。ジャズはせいぜい洗足とバークリーですから。

司会:マーケット・シェアはそれぞれどれくらいですか。

B:クラシックの購買層は100万、ジャズは10万いるかどうか。

D:お店もスターが出ると自然にお客さんが増えますね。何れにしてもカタログの廉価盤シリーズは後ろ向きの姿勢ですね。一時的には売れても新しい流れを生み出すことはできない。メーカーにはやはり新録という前向きの仕事をしてもらいたいと思いますね。

司会:その他の動きはどうですか。

A:綾戸智恵(註:40才を超えてCDデビューしたジャズ・シンガー)も相当売れましたが,主にジャズ以外の層にアピールしてましたからね。 B:もうひとりジャズ専門誌のらち外でムーブメントを起こしているミュージシャンに菊地成孔(註:きくち・なるよし。1963年生まれのジャズ・ミュージシャン、プロデューサー、文筆家)がいますね。彼のここ10年の活動は評価すべきものがあります。UA(註:ウーア。シンガーソングライター)とのコラボも若い人の喝采を浴びましたし。

司会:菊地の八面六臂の活躍はジャズ専門誌の枠をはるかに超えていますね。従来の専門誌が培ってきた土壌やファン以外のところで評価されていますね。
著書にも相当数のファンが付いているようですし。

♪ エコとの関係

司会:話題が変わりますが、エコとの関係ではどうですか。坂本龍一が自分が主宰する環境保護団体「moreTrees」(モア・トゥリーズ)との関係でコンサート会場や新作『out of noise』のリリースでCO2のオフセットを実践していますね。

C:エコの問題はむしろJポップの方で大変関心を持っていますね。それと企業イメージのアップにもつながりますしね。

司会:坂本は『out of noise』を5種類の商品形態で発売しているんですね。CDと配信が2種ずつ、それとアナログ盤。CDはブックレットの付いたフル・パッケージ版とディスクと簡易ケースだけのパッケージ・レス版。

B:僕はパッケージ・レス版を買いましたが、あの薄いプラケースもすぐ捨ててしまいました。しかし、何れにしても石油製品であることには代わりがないです。

司会:その石油製品を製造するために排出されるCO2を回収するための費用を売上げから「moreTrees」に寄付して,森林を再生する、といういわゆる「オフセット」の実践ですね。エンジニアのオノ セイゲンも早くから環境保護を実践していて、不要なサンプル盤を回収していましたね。それと、サンプル盤用のプラケースは自宅の不要なケースを再利用して欲しいといってディスクだけ送ってきていました。これは、経費の削減というより、できるだけ石油製品の無駄を省こうというエコの実践ですね。

B:僕はいずれにしてもプラケースはすぐ捨ててしまうんです。運送とディスプレイ用にプラケースは必要ですが、買ってしまえば無用になります。配信やストリーミングは音楽業界では究極のエコといえるかも知れませんね。

司会:CDを買うとすぐiPodに転送してブックレット以外は捨ててしまう友人がいます。彼はiPodの容量や検索と再生の簡便さを愛好しているのですが、僕自身はまだiPodの音質に完全に馴染むことはできないでいます。(構成:稲岡)

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COLUMN
今月の論点:悠々自適 Vol.47 「サム・リヴァースを回顧する」悠 雅彦 ♪ カデンツァ Vol.48 「年末の第九」 丘山万里子 ♪ 追悼特集 「RIP Sam Rivers サム・リヴァース」 ♪ JAZZ meets 杉田誠一Vol.80「追悼 サム・リヴァース」 ♪ 音の見える風景 Chapter20 「峰 厚介 」 望月由美 ♪ 撮っておきの音楽家たち #34「マーク・パドモア」林 喜代種 ♪ 撮っておきの音楽家たち #35「イヴリー・ギトリス」林 喜代種 ♪ 世界音楽紀行 Vol.27「生の享楽〜スペインの人の暮らしぶり〜パコ・デ・ルシアに捧ぐ」高谷秀司♪ 及川公生の聴きどころチェック #138『坂田 明=古谷暢康/ライヴ・アット・ザ・ビッチェズ・ブリュー』 (Transheart=Solid/ウルトラヴァイヴ)
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