
龍村仁がNHKを懲戒免職となるのは昭和48年9月のことだからドキュメンタリー『キャロル』の完全版を視聴したのは同・1973年夏である。所は渋谷のNHK試写室。同時に『海鳴り』の完全版も視聴。その数週間前には、『海鳴り』のうら淋しい撮影現場、千葉を龍村自身とドライブする。
試写室で三宅一生を紹介される。「こちら、一生さん」と龍村。「杉田です」「一生です」。再び「一生です」。「杉田です」(いや、「誠一」です、とでもいうべきダッタのかしらん?)。一生なる人には、スレンダーな美女が3人ほど同行。試写後、<壁の穴>でパスタして新宿ゴールデン街へ繰り出す。
「実は、昨日、パリから帰ったばかりなんですが、ここ(ゴールデン街)が一番落ち着きますね」「そうですか?ぼくは3日前、シカゴから帰ってきたんですけど、シカゴの方が落ち着きます」ってな話が続き、まったく話が噛み合ない。実は、あの三宅一生だとは、最後まで分からなかったわけ。
想えば、ぼくのファッションの先生は、ジャズ・アーティストたち。たとえスーツを着ていても、決してスクゥエアにならず、あくまでもヒップだからである。
65年夏、初めて日本橋<三越>でのバイト代はすべてVANのスーツ代に消える。いわゆる3ッボタンのアイビー。とてもボタンダウン・シャツやレジメンタル・タイまでは手が出ない。ケネディ御用達だったというブルックス・ブラザースなんて夢のまた夢?!
VANの戦略にはいつもジャズが流れていた。ジャズ・ミュージシャン来日スポンサーとして必ずVANがスポンサーになり、アメリカン・トラッド=アイビーのバイブル『メンズ・クラブ』はしばしばジャズを特集。70年代に入ってからだけれども、ぼく自身も『メン・クラ』をジャズ(写真&文)でジャック(?)したことがある。VANはまた、ジャズ番組の制作スポンサーの重鎮でもあった。
VANと並ぶメーカー、JUNは、池袋にジャズクラブ<JUN CLUB>をオープン。ジョージ大塚トリオ(市川秀男/p、稲葉国光/b)、峰厚介(ts)、豊住芳三郎(ds)らがホーム=根拠地としている。
ジャズはかつてファッション・リーダーですらあった。
2009年12月、未発表映像マイルス・デイヴィス・クインテット『ライブ・イン・ヨーロッパ ‘67』(CBS)を買ってしまう。コレ1枚(DVD)のために、何と32,990円(タワーレコード)も払うはめにあう。コロンビア期の全アルバム70枚(1949~85)のオマケとしてこの未発表映像が付いてくる。『in Paris Festival International De Jazz May, 1949』から『Aura』まで、すべて持っているというのに、だ。紙ジャケかどうかなんてどうでもいい。未発表ボーナス・トラックにもまったく興味なし。全250ペーシのフル・カラー・ブックは透析中の読み物にはまあ、ちょうどいいってところかな。
で、DVDには、1967年11月7日、独・カールスルーエと同・10月31日スゥエーデン・ストックホルムが収められている。パーソネルはハービー・ハンコック(p)、ウェイン・ショーター(ts)、ロン・カーター(b)、トニー・ウィリアムス(ds)。ナンバーは、前者:1.Agitation 2.Footprints 3.I Fall in Love Too Easily 4.Walkinユ 5.Gingerbread Boy 6.The Theme 後者:
1. Agitation 2.Footprints 3.モRound Midnight 4.Gingerbread Boy 5.The Theme
いやあ、スゲ〜、カッコいい!!
67年といえば、ジョン・コルトレーンが死去した年。「ジャズが死んだ」
なんて陳腐な言いようがここ日本では流布されたけれども、とんでもない。少なくとも、マイルスにとって,コルトレーンはもうとっくの終りに死んでいたのだ。
杉田誠一:
1945年4月、新潟県新発田市生まれ。
1965年5月、月刊『ジャズ』、
1999年11月、『Out there』をそれぞれ創刊。
2006年12月、横浜市白楽にcafe bar Bitches Brew for hipsters onlyを開く。
著書に『ジャズ幻視行』『ジャズ&ジャズ』
『ぼくのジャズ感情旅行』。
http://www.k5.dion.ne.jp/~sugita/cafe&bar.html
及川公生のちょっといい音空間見つけた >>
| 1/09 | Sat | 鈴木勳(b) 雅代Koketsu(as) 井上銘(g) |
| 10 | Sun | 成瀬信彦(ヒトヒソ館 おどり) 尾山修一 (ts,ss,perc) 板倉克行(p) |
| 11 | Mon | 名取俊彦[Tonnie](p,g) いのくち ゆきみ(vo) |
| 14 | Thu | 鈴木勳(b) 秋山一将(g,vo) |
| 18 | Mon | 小島伸子(vo) KANA(fl) 太田雄二(g) |
| 20 | Wed | 平原剛(p) 菅井信行(b) |
| 22 | Fri | 秋山一将(g,vo) 江口弘史(b) 望月孝(perc,g,vo) |
| 23 | Sat | ジャム・セッション 斉藤華子(p) 堀江大輔(b) |
| 25 | Mon | 平山順子(as) 佐藤えりか(b) |
| 28 | Thu | 鈴木勳(b) 雅代Koketsu(as) 井上銘(g) |
| 29 | Fri | 関根敏行(p) 仲石裕介(b) 黒崎隆(ds) |
| 30 | Sat | 赤坂由香利(vo,p) |
| 31 | Sun | ジャム・セッション 名取俊彦[Tonnie](p,g) |
■COLUMN: カデンツァ Vol.30「遠山慶子氏 (pf) 毎日芸術賞受賞によせて」丘山万里子 「タガララジオradioTagara 02」Niseko-Rossy Pi-Pikoe ■LIVE REPORT: #253 ティファニー&フレンズ「イエスタデイ&イエスタデイズ」CD発売記念ライブ 望月由美 ■FIVE by FIVE: #657『藤井郷子オーケストラ東京/ザコパネ』LIBRA/ボンバ・レコード 悠雅彦 /#658『ニルス・ラン・ドーキー・トリオ/リターン・トゥ・デンマーク』ビデオアーツミュージック/BRO 望月由美 /#659『リパッティの芸術6/ブザンソン音楽祭における最後のリサイタル』EMI CLASSICS 丘山万里子 /#660『Anton Delecca Quartet/Lost City』Jazzhead 悠 雅彦 /#661『Jemeel Monndoc/MUNTU RECORDINGS』NoBusiness Records 稲岡邦弥
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