#  1273

『The Creative Music Studio (CMS) -Archive Selections Vol.2』
text by Bruce Lee Gallanter ブルース・リー・ギャランター


Planet Arts

DISC 1: SMALL ENSEMBLES
1. 13:28 Anthony Braxton/Marilyn Crispell
Composition by Anthony Braxton and Marilyn Crispell. Anthony Braxton, reeds; Marilyn Crispell, piano. Recorded December 3, 1977.
2. 16:27 Kalaparusha Trio
Composition by Kalaparusha. Kalaparusha, reeds; John Betsch, drums; Juma Sultan, bass. Recorded January 3, 1976.
3. 18:11 Frederic Rzewski/Karl Berger
Composition by Karl Berger. Frederic Rzewski and Karl Berger pianos. Recorded April 16, 1977.
4. 9:52 Paul Motian Trio
Composition by Paul Motian. Paul Motian, drums; David Izenzon, bass; Charles Brackeen, reeds. Recorded January 8, 1977.
5. 9:52 Lee Konitz-Oleo
Composition by Sonny Rollins. Lee Konitz, alto sax; Karl Berger, vibes/piano; James Harvey, trombone; Peter Apfelbaum, drums; Terry Sines, bass. Recorded October 12, 1979

DISC 2: LARGE ENSEMBLES
1. 27:05 Don Cherry
Composition by Don Cherry. Don Cherry, flutes, trumpet, piano; Collin Walcott sitar; Nana Vasconcelos, percussion; Steve Gorn, flute. Recorded April 1, 1978
2. 21:51 Baikida Carroll
Composition by Baikida Carroll. Baikida Carroll, trumpet; James Harvey, trombone; Marilyn Crispell, piano; MichaelLytle, bass clarinet. Recorded 1976 (4-6) and 1979.

3. 17:20 Gerry Hemingway
Composition by Gerry Hemingway. Gerry Hemingway, drums; Marilyn Crispell, piano; Don Davis, alto sax; James Harvey, trombone; Tom Dill, trumpet; Ted Orr, guitar. Recorded May 24, 1980.

DISC 3: WORLD MUSIC
1. 9:04 Ismet Siral-Zeneybim
Compositions by Ismet Siral. Trilok Gurtu, tabla; , Nana Vaconcelos, berimbau; Ismet Siral, ney/flute; Steve Gorn, flute; Ted Orr, guitar; Karl Berger, balafon. Recorded July 29, 1979.
2. 3:25 Ustad Dagar-Traditional composition
Traditional. Ustad Dagar, vina. Recorded July 1, 1981.
3. 4:38 Aiyb Dieng/Karl Berger
Composition by Aiyb Dieng and Karl Berger. Aiyb Dieng, percussion, Karl Berger, vibes. Recorded April 24, 1981.
4. 11:32 Paulo Moura
Composition by Paulo Moura. With Paulo Maura, reeds; Aiyb Dieng, percussion; Trilok Gurtu, tabla. Recorded May 1, 1981.
5. 13:09 Amadou Jarr
Composition by Amadou Jarr. Amadou Jarr, INSTRUMENT?? Recorded July 1981.
6. 11:00 Collin Walcott
Composition by Collin Walcott. Collin Walcott, sitar; Nana Vasconcelos, percussion; Trilok Gurtu, tabla; Aiyb Dieng,
percussion. Recorded July 1981.

Producers: Rob Saffer, Karl Berger
Engineer: Ted Orr
Liner notes: Michael Shore, Marc Epstein, Rob Saffer
Graphic design: Sylvain Lerou

クリエイティヴ・ミュージック・スタジオ(CMS)の未発表アーカイヴの第2集。CMSは、NY州のウッドストック・エリアに70年代、80年代を通じて存在した学校であり、インスピレーションの源泉だった場所。カール・ベルガー、伴侶のイングリード、オーネット・コールマンにより創設され、ベルガーとイングリード・セルツォにより維持されてきた。教師となったのは、アンソニー・ブラクストン、ドン・チェリー、アート・アンサンブル・オブ・シカゴの面々など多くの重要なミュージシャンたち。ベルガーは今日でもワークショップを開催している。NY(市)で新しいシーンを創り上げたダウンタウン系のミュージシャンたちは皆CMSで出会い、学んだ仲間と言える。

CMSアーカイヴの第1集と同じようにこの第2集も3枚組のCDセットで、「スモール・アンサンブル」「ラージ・アンサンブル」「ワールド・ミュージック」の3部構成。各ディスクは、CMSを去来した多くの優れたミュージシャンたちの1時間を越す演奏を収録している。収録された演奏はどれも素晴らしいものばかりだが幾つか名前を挙げると、1977年のアンソニー・ブラクストンとマリリン・クリスペルのデュオで、ブラクストンがクリスペル、マーク・ドレッサー、ジェリー・ヘミングウェイと組んだかの有名な伝説のカルテット結成を遡る8年前後の記録。ブラクストンもクリスペルも素晴らしく、楽想は多岐にわたり、ユニークかつチャレンジング。すでにカルテットの萌芽が聴き取れる。
過少評価気味のサックス奏者カラパルーシャの演奏を聴くのは時を問わず素晴らしいことだ。ジュマ・サルタン(b)、ジョン・ベッチ(ds)との素晴らしいトリオ。トリオと言えば、ポール・モチアン、チャールズ・ブラッキーン(reeds)、デイヴィッド・アイゼンソン(b)のトリオも素晴らしい。何れにしても選曲されたテイクはそれぞれのミュージシャンの最上の演奏を伝えている。改めて、CMSがミュージシャンたちが出会い、やり取りをし、さまざまな垣根を越えて切磋琢磨した場所であった(現在でも)ことを痛感する。また、モダン・ニュー・ミュジック界のコンポーザー/ピアニスト、フレデリック・ルツェウスキーとカール・ベルガー(p) の交感も傑出している。
ドン・チェリーは早くから世界各国の音楽に目を向け取り入れてきたジャズ・ミュージシャンのひとりだった。ここでのドンは、自身のトリオ「CODONA」、ナナ・ヴァスコンセロス(percussion)、コリン・ウォルコット(sitar) を含むラージ・アンサンブルを率いている。これもまたさまざまな影響を消化した見事なアンサンブルの例である。バイキダ・キャロルとジェリー・ヘミングウェイが率いる他の二つのラージ・アンサンブルもまた魅力的かつユニークである。じつは私の高校時代の友人も70年代後期にCMSに参加し、ゲイリー・ウィンドについて学んでいる。彼にとって幸いしたことは、それぞれがユニークな音楽観を持つ世界各国から参集したさまざまなミュージシャンと一緒にジャムったり、学べたことである。
3枚目のディスクは、アメリカ人にとっては耳新しい素晴らしいミュージシャンたちの演奏を6曲収録している。トリロク・グルトゥ、アイーヴ・ディーング、ウスタッド・ダガール、アマドゥ・ジャー、スティーヴ・ゴーン。繰り返しになるが素晴らしい才能たちによる素晴らしい演奏。全体で3時間を超すこのライブラリーは音楽の宝庫である。

* 関連リンク
Creative Music Studio/Archive Selections volume 1
http://www.jazztokyo.com/five/five731.html
Reflection of Music Vol.36 カール・ベルガー 横井一江
http://www.jazztokyo.com/column/reflection/v36_index.html
カール・ベルガーと私 香月保乃
http://www.jazztokyo.com/column/guest/005.html
インタヴュー
http://www.jazztokyo.com/interview/interview131.html

Bruce Lee Gallanter ブルース・リー・ギャランター
古今東西のインプロ系を中心としたCD/LPの名盤、希少盤、最新盤を網羅したショップ、NYダウンタウンの Downtown Music Galleryの主宰者。インストア・ライヴでは最新鋭のミュージシャンたちが最新の成果を披露する。自身は、NYを中心に最新の音楽情報を発信するブロガーでもある。
http://www.downtownmusicgallery.com/Main/index.htm

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FIVE by FIVE 注目の新譜


NEW1.31 '16

追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley

FIVE by FIVE
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣


COLUMN
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi

#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報 シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻


音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美

カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子

及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)

オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美

ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)

INTERVIEW
#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義

CONCERT/LIVE REPORT
#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄


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