#  679

Aldo Romano / Origine
text by Nobu Stowe

Dreyfus Jazz

Aldo Romano (drums, guitar, vocals*)
Lionel Belmondo (soprano & tenor saxophones, G flute, wood flute)
Eric Legnini (piano)
Thomas Bramerie (double-bass)
Stephan Belmondo (trumpet, flugelhorn, shell)
Philippe Gauthier (flute, G flute)
Jerome Voisin (clarinet, bass clarinet)
Bernard Burgun (English horn)
Francois Christin (French horn)
Cecile Hardouin (bassoon)
Bastien Stil (tuba)
Geraldine Laurent (alto saxophone)
Xavier Desandre-Navarre (percussion)

Silenzio/ Pasolini/ Il Camino Part 1/ Il Camino Part 2/ Gamelan/ Touch of A Woman/ Elis/ Celestina/ Dreams and Waters/ Starless Night/ For Michel/ Il Camino Part 3/ Jazz Messengers*

All compositions by Aldo Romano
Lyrics in メJazz Messengersモ by Yves Simon
Arrangements by Lionel Belmondo
Artistic Production by Lionel Belmondo & Eric Legnini

Recoded on June 30, July 1 & 2, 2009 by Rene Ameline, assisted by Benjamin Joubert @ Studio Ferber (Paris, France)
Mixed on October 21, 2009 by Jeff Ginouves at Studio Ferber (Paris, France)

Mastered on October 29, 2009 by Raphael Jonin at J Raph i.n.g. (Clichy, France)

アルド・ロマーノの前作『Just Jazz』(Dreyfus:2007年作品)をレビューした折りも書いたことだが(www.jazztokyo.com/newdisc/512/romano.html)、ヨーロピアン・ジャズの金字塔の一つと信じるミッシェル・ペトルチアーニ名義の『Estate』(OWL:1983年作品)を聴いて以来、彼の造り出す、南欧の光と影を写し撮ったようなメロディーの大ファンである。彼の新作『Origine』は、そんな僕に最適なアルバム。と言うのも、ロマーノ作のメロディーに触発されて、サックス奏者=リオネル・ベルモンドが自身率いる楽団“Hymne Au Soleil”のためにアレンジを敢行、ロマーノの他、弟のトランペット奏者=ステファン・ベルモンド、ベルギー出身の中堅ピアニスト=エリック・レニーニ、Dreyfusレコードより売り出し中の女性サックス奏者=ジェラルディン・ローレン等をフィーチャーして制作された作品だからだ。期待に違わず、純粋な感動を与えてくれたので大いなる推薦を込めて紹介したい。

イタリア文学/映画界の鬼才に捧げられた名曲〈Pasolini〉、郷愁を誘うメロディーが印象的な〈Il Camino〉(アレンジの異なる3つのテイクが聴かれる)、沈み込むような情緒を感じさせる〈Silenzio〉等の既発曲に混じり、〈For Michel〉や〈Jazz Messangers〉他の新作を収録。ベルモンドは、ロマーノ・メロディーのベスト盤的な選曲に、フルート/クラリネット/イングリッシュホルン/バスーン等の木管楽器を中心に、フレンチホルン/チューバ等の低音金管楽器を交え、柔らかな日差しが差し込む新緑の森を感じさせる魅力的なアレンジを施した。確かな構成力を保ちつつ、演奏の“自然体”(自発性)を失わない編曲手腕は、高く評価したい。

メンバー個々の演奏では、ロマーノの歌心溢れるドラミングは無論、ペトルチアーニやビル・エヴァンスからの影響を仄かに感じさせるレニーニのピアノ、安定感のある重厚感が光るトーマス・ブラメリエのベース・プレイ、そしてほとんどの曲でメロディーを吹いているステファン・ベルモンドのトランペット/フリュ−ゲルホルンが聴きどころだろう。ステファンは、フランス人だが、彼の音色/吹奏は、白人的な洗練より、バルバドス(カリブ)出身のハリー・ベケットや南アフリカ出身のヒュー・マセケラに似た、素朴でフォークロア的な哀愁を漂わせている。その哀愁が、ロマンチックなメロディーを、さらに魅力的なペーソスで聴かせてくれる。

収録曲すべて推薦したい楽曲/演奏だが、ハイライトは、ペトルチアーニに捧げられた新曲〈For Michel〉。特に、テーマの再現が終わった後、ロマーノの地中海の“うねり”を思わすグルーブ感をしたう絶妙なドラミングに煽られて、ステファンのトランペットとリオネルのソプラノ・サックスが、青い空高く上って行く。

アルドは、メロディーの魅力を見事に彫りだした作品の最後を飾るに相応しく、ラストの〈Jazz Messangers〉で、“ジャズ・メッセンジャーズ”に捧げられた詞を、ギターを弾きながら情感を込めて歌っている。ブレイキー、マイルス、コルトレーン、チェット、ベイシー、エリントン、ケニー・クラーク等のジャズマンに混じり、ジーン・ケリーやジョニー・キャッシュの名前が出てくるのが、印象に残った。(Nobu Stowe /須藤伸義)

*『Origine』及び『Just Jazz』は、アマゾン/ディスク・ユニオン等で購入可能。

**詳細は、以下のレーベル・ホームページで:

DREYFUS RECORDS (www.dreyfusrecords.com)

WEB shoppingJT jungle tomato

FIVE by FIVE 注目の新譜


NEW1.31 '16

追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley

FIVE by FIVE
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣


COLUMN
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi

#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報 シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻


音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美

カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子

及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)

オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美

ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)

INTERVIEW
#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義

CONCERT/LIVE REPORT
#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄


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