# 685
Tommaso Cappellato Quartet - OPEN
text by Nobu Stowe 須藤伸義
Elefante Rosso Music
Tommaso Cappellato (drums, piano*)
Michael Blake (tenor & soprano saxophones)
Giovanni Guidi (piano)
Joe Rehmer (double-bass)
Nowhere, Now Here/ Open/ Episode 29/ World Traveler/ Mysteries of Life/ Talk to Me/ Scream Away/ The Night/ Krishnamurti/ He Said Then She Said/ Natural Element*
All compositions by Tommaso Cappellato
Except メEpisode 29モ and メScream Awayモ by Blake, Cappellato, Guidi, Rehmer, and メHe Said Then She Saidモ by Cappellato, Rehmer
Recoded on May 17th, 2009 by Stefano Amerio @ Artesuono Studio (Udine, Italy)
Mixed and mastered by Max Trisotto
Executive Producer: Rabih Beaini (Elefante Rosso Music)
日本での普及率は、まだ発展途上である様であるが、MySpace(www.myspace.com)は、世界第1位の加入者数を誇るソーシャル・ネットワーキング・サービスである。自身のプロフィール・ページに、アーティスト経歴やライブ・スケジュールの他、自作曲のMP3ファイルを公開出来る機能が重宝され、音楽業界への影響力はとくに高い。ミュージシャンの“名刺”代わりに使える便利なサイトで、プロモーション費用に乏しい音楽家にとっては、大変ありがたい。ファン拡大のみならず、他の演奏家との出会いにも繋がる。今回紹介するトマゾ・カペラート(www.myspace.com/tommasocappellato)もMySpaceを通して知った一人だ。
本作『Open』が、リーダー・デビューとなる、カペラートは、イタリア出身で、8歳よりピアノ、11歳よりドラムを始め、16歳でプロの音楽家になる決心を固めたとの事。1996年より9年間NYに滞在。リッチー・バイラークp、ジョー・チェンバースds、ジミー・コブds、ビリー・ハートds等に師事。現在は、イタリアに戻り、パドヴァを中心に活動しているドラマー/作曲家。2008年には、日本ツアーを敢行。本作でのクァルテットの他に、ソロ、2テナー/ベースとのNesso G(El Gallo Rojoレコード主宰者の一人=ダニロ・ガロb参加)、エレクトリック音楽とモダン・ジャズとのフュージョンを目指す“Upperground Orchestra”(www.myspace.com/uppergroundorchestra)、ドン・バイロンcl/ファブリツィオ・プリィーシp(プログレ・バンド=Deus Ex Machinaのキーボーダー)とのトリオ他で幅広い活動を行っている。個人的に、バイロン/プリィーシとのトリオは要注目で、Youtubeで観ることのできるライブ(www.youtube.com/watch?v=YVw_uCmUObI)の感触から、アルバム発表への期待が否応なしに高まる。
サックス奏者のマイケル・ブレイクは、カナダ出身で、現在までにIntuition(ドイツ)、Stunt (デンマーク)、Clean Feed(ポルトガル)等、多国籍に跨るレーベルより興味深い作品を発表している。ピアニストのジョバンニ・グイディは、1985年生まれの若手だが、日本のヴィーナスレコードよりのデビュー作『トゥモロー・ネヴァー・ノーズ』以降、イタリアのCAM JAZZより3作リリースしている。最近エンリコ・ラヴァtpの新生クインテットに抜擢された様なので、ECMからのデビューもあり得るかも知れない。ジョー・リーマーの経歴について、余り詳しくないのだが、本作で聞ける限り、安定感のあるベーシストだ。
『Open』収録曲は、3曲の(たぶん)即興曲を除き、すべてカペラートのペンに拠るものだ。色々な国々を旅して、多くのミュージシャンと共演して来た「トラベラー」としての下地を反映して、多様な音楽性を聞かせてくれる。ブレイクのソプラノの出だしが、一瞬アコーディオン的な響きをした哀愁漂う〈Nowhere, Now Here〉、エスニックでモーダルなグルーブが痛快な〈World Traveller〉、コルトレーン的オリエンタル色が香るバラード〈Mysteries of Life〉他、質の高い楽曲/演奏を楽しむことができる。とくに印象に残ったのは、グイディのキース・ジャレット的コードから導かれる〈Krishnamurti〉。印象的なテーマ・メロディーは、草原を渡る風を想起させる。
アルバム全体を通して、カペラートの音楽家としてのセンスの良さをハッキリ確認できる作品だ。彼は、ドラマーとしてより、バンド・リーダーとして、楽曲の構成、アンサンブル、そしてメロディーを全体的に考えてドラムを演奏している。そういった意味で、(僕の大好きな)アルド・ロマーノdsに近い資質を感じた。
最後に、ラヴァのECM作を含む、他のイタリア近年作品の例に洩れず『Open』の録音は、名技師=ステファノ・アメリオ氏が、北イタリア・ウディネにある自身のアルテスオノ・スタジオで行っている。アコースティックな暖かさを損なわず、鮮烈に各楽器の質感を捉える音像は、ナチュラルな刺激に富む。本誌で度々紹介してきている、マルチ・リード奏者のアキレ・スッチからの情報によると、アメリオ氏は、自主制作やマイナー・レーベルの録音に対して、格安価格で対応してくれるらしい。東京やNY等での録音費用を考えると、羨ましい限りである。(Nobu Stowe /須藤伸義)
*『OPEN』は、以下のサイトで購入可能:
http://jp.juno.co.uk/artists/Tommaso+Cappellato/
http://disknote-jazz.ocnk.net/product/6081
http://diskunion.net/jazz/ct/detail/JZ100126-15
**詳細は、各ミュージシャンのホームページで:
Tommaso Cappellato (www.tommasocappellato.com)
Michael Blake (www.michaelblake.net)
Giovanni Guidi (www.giovanniguidi.net)
Joe Rehmer (www.myspace.com/joerehmer)
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#871『ジェオルジェ・エネスク〜室内楽曲1895-1906』(アンデサン)大木正純/
#872『ブラームス:ドイツ・レクイエム』(EMIクラシックス)大木正純/
#873『Dan Tepfer/Goldberg Variations/Variations』(Sunnyside)/
#874『峰厚介カルテット/With your soul』(Mine-G) 望月由美/
#875『IRÈNE SCHWEIZER /TO WHOM IT MAY CONCERN』(Intakt) 横井一江/
#876『チャーリー・ヘイデン&ハンク・ジョーンズ/カム・サンデイ』(ユニバーサル/DECCA)稲岡邦弥/
#877『フィン・シルバー/クロッシング・ザ・ルビコン』(P-VINE)稲岡邦弥/
#878『守屋純子オーケストラ/イントゥ・ザ・ブライト・ディケイド』(Spice of Life)稲岡邦弥
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今月の論点:悠々自適 Vol.47 「サム・リヴァースを回顧する」悠 雅彦 ♪
カデンツァ Vol.48 「年末の第九」 丘山万里子 ♪
追悼特集 「RIP Sam Rivers サム・リヴァース」 ♪
JAZZ meets 杉田誠一Vol.80「追悼 サム・リヴァース」 ♪
音の見える風景 Chapter20 「峰 厚介 」 望月由美 ♪
撮っておきの音楽家たち #34「マーク・パドモア」林 喜代種 ♪
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世界音楽紀行 Vol.27「生の享楽〜スペインの人の暮らしぶり〜パコ・デ・ルシアに捧ぐ」高谷秀司♪
及川公生の聴きどころチェック #138『坂田 明=古谷暢康/ライヴ・アット・ザ・ビッチェズ・ブリュー』 (Transheart=Solid/ウルトラヴァイヴ)
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#101 Nigel Kennedy |ナイジェル・ケネディ(ヴァイオリニスト)相原 穣
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#392 「エフゲニー・ザラフィアンツ ピアノリサイタル」 伏谷佳代/
#393 「ゲルハルト・オピッツ:シューベルト連続演奏会 第3回」 伏谷佳代/
#394 「ロヴロ・ポゴレリッチ ピアノリサイタル」 伏谷佳代/
#395 「第726回定期演奏会Aシリーズ/都響スペシャル」 丘山万里子/
#396 「イアン・ボストリッジ テノール・リサイタル」佐伯ふみ/
#397 「ヒグチケイコ+神田晋一郎〜night music 夜の音楽」伏谷佳代/
#398 「アレクセイ・ヴォロディン/ピアノ・リサイタル」悠 雅彦
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