#  910

『MIZUHO & タイガー大越/Dear DUKE』
text by 稲岡邦弥


House Of Jazz
HOJ120401

MIZUHO (vo)
Tiger Okoshi (tp/flgh)
Reo Genovese (piano/koto)
Randy Runyon (g)
Justin Purtill (b)
James Williams (ds)

1. It don't mean a thing
2. Prelude to a kiss
3. In a sentimental mood
4. Caravan
5. Take the A train~don't get around much anymore
6. Mood Indigo
7. Satin doll
8. In a mellow tone
9. A Flat Minor

Arranged & produced by Tiger Okoshi
Recorded at PBS Westwood, MA, May 24~27, 2011

ボストンのバークリー音楽院で運命の出会いをした道産子ディーヴァMIZUHOとタイガー大越のコラボレーションが3作目を迎えて大ジャンプを果たした。テーマはエリントンである!過去の2作(『翼』2008。『スターズ・アンド・ムーン』2010)を通じてMIZUHOの実力を熟知しているタイガーはMIZUHOにヴォーカリスト以上の役割を担わせようとしたかのような大胆なアレンジを施した。そしてMIZUHOはタイガーの期待に違わぬ快唱でそれに応えた。
タイガーのコンテンポラリーなアレンジはすでに定評があるが、耳に馴染んだエリントンのクラシックの数々がまったく思いもかけない装いをまとって次から次へと登場する。ラテンはまだしもファンクやファズのかかったギター・ソロに目を向く穏健派ファンもいることだろう。
オーヴァーダビングによるハーモニー付け、奔放なスキャット、ヴォカリーズ、 さまざまなテクニックを駆使し、時にはインストの一部と化してタイガーの斬新なアレンジを楽々とこなしていくMIZUHO。
一部を抜き出すと違和感を感じるファンも、オープナーから自然な流れに身を任せていると次の仕掛けを楽しみに待つ自分を発見して驚くことだろう。その仕掛けの詳細は明かさない方が良いに決まっている。
がっぷり4つに組みながら、彼らの身のこなしはそれほどこなれ切っている。僕自身はとても楽しく聴いた。エリントンに手を付けることはそれほど容易なことではない。ある意味で日本人だからこそ挑戦できた企画と言えるかもしれない。
エリントンやヴォーカルの世界には保守的なファンが多いという。次号では内外の複数のコメンテイターに異論を含めて意見を求めてみたい。(稲岡邦弥)

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INTERVIEW
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LIBRARY
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