わたしは過去2回海外で演奏をしたことがある。
どちらもサイドメンとしてで、リーダーとしてではない。
今回、ミニ・ツアーではあったけれどリーダー(というか、バンド内では音楽的には3人対等ということで演っているのだが、表向きには私がリーダー=スポークスマンといった役どころ)、自分のバンドとしての演奏ははじめてだった。
ずいぶん長い間音楽活動をしているけれど、これまで自分から積極的に海外進出を目指したことはない。
わたしにとっては自分の音を見つけることが第一に大切なことで、それにやっと手が届いたかも、と感じたのが、今年アルバムを発表した新しいユニット「Ub-X」。こんなに長い時間がかかったのはわたしの属している(と思われる)世代の特徴ではないかと思っている。
10代のころ耳に入ってきた新しく、衝撃的な音楽の数々。自分が音楽家になるころにはますます新しくて興奮する音楽を創っていくのだろう、という予想は、音楽界に入って10年ほどして崩れていった。音楽にかかわらずほぼすべてのジャンルのアートは、わたしたちがプロフェッショナルになった時にはすでにピークを過ぎていたのだ。
それから、数々の想い、数々の試行錯誤、喜びや、失敗や、喪失感等を重ね、自信を持って世界の音楽界に問うべき何かを手に入れたという実感を持つことができたわたしは、デュッセルドルフのオファーが来た時に、「やる」と即決した。
それから紆余曲折あり(コーディネーターの失踪、また基金がおりるかの心配等)、当初は二週間で10カ所などと言っていたスケジュールはやっとのことで一週間で3カ所に決まり、まあ最初から飛ばすのも何だし取りあえずは様子見、感触を見てみよう、というすこし気楽なものになっていた。
>NEXT
>COLUMN TOP PAGE >>BACK TO INDEX

