UPDATED 12.05.2005
INTERVIEW
vol.31 ブーカルト・ヘネン(concert producer)
2005年9月17日 インタビュー&写真:横井一江
ブーカルト・ヘネン

— ドイツのラジオ局の名前がありませんが。

 ドイツの公共放送は感心しないんだ。割り当てのことばっかり考えているしね。州から援助を受けているが、州法で(メールス市はノルトライン=ヴェストファーレン州にある)ラジオを持っている家庭は毎月15ユーロ支払わなければならないと決められている。州法には、公共放送の責任についても書かれているんだ。音楽にしろ、政治的なことや文化的なことについて、バランスのとれた番組を流さなければいけない。一般的なドイツ人からマイノリティーまでを対象としてね。民放のように広告をもらうためのプレッシャーはない。そんな公共放送のひとつであるWDRについて、民放のようになっていると公共の場で言ったから大変なことになったんだ。
 昨年は、フェスティヴァルの3日目、日曜日の午後に行われるプレス・コンファレンスの時、マスクをして出席した。それまでは、市長とラジオ局の人間と私だったんだけど、その時は市長と私だけ。噛みつかないようにするために犬につけるマスクがあるだろ。まさにそれだよ。日曜日中その格好で歩いてたんだ。市長がしゃべるなって言ったしね。カメラマンがそれを撮っていたから、雑誌はこぞってその写真を使ったね。もう政治とかメディアとかこりごりだよ。

— まだリタイアするお歳とは思えませんが、これからのプランは?

 とにかくゆっくりしたい。そして、あちこち旅行をしたいね。1999年に日本に来た時は、横濱ジャズプロムナードを訪ねたりして、5日間で1日の休みしかなかった。仕事があったから帰らなければいけなかったから。もう自由になったし、時間もある。義務とか責任とかメールス市との議論とかラジオ局との妥協とかもう考えなくていいから、コンサートに行っても、音楽に心から入っていける。今、サバティカルな時間を楽しんでいるんだ。
 将来については、CDやDVDやフイルムを制作したり、本を書くかもしれない。可能性はいろいろある。録音したテープは色々あるよ。96、7年頃かな、テープはあったけど、CDがマーケットに氾濫していて、しかも音楽的に大したことないのが多くって、食傷気味になった。でも、また始めている。マーケットも変化して、空白部分が生じている。今は、インディペンデント・レーベルのプロデューサーにとっていい時期だと思う。インターネットもまた、インディペンデントにはいいツールだね。メジャーレコード会社は、インターネットは売り上げを食ってしまうと言っているけど、それはばかげた言いぐさだ。インターネットは、インディペンデントがメジャーに切り込めるチャンスを作ってくれたね。
 今、リリースを考えているのは、ホレス・タプスコットのビッグ・バンド。音楽的には素晴らしい。まずは、リリースする承諾を得ないと。
 それから、CDではないけれどフランク・シューマンというドイツのファッション界では知られた写真家がいて、彼はバック・ステージに簡易スタジオを作って、演奏が終わった後のミュージシャンのポートレイトを撮った写真集も出ているよ。これには冒頭に文章を書いている。(注2)


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