UPDATED 01.16.2005

翔べ未分の彼方へ チェリスト 青木十良の思索
タイトル:『翔べ未分の彼方へ チェリスト 青木十良の思索』
編著者:丘山万里子
初 版:1995年4月8日
出版社:株式会社 楽

腰巻コピー:青木十良という音楽の孤峰 どこにも連ならず端然と独り蒼穹に立つ




「要するに、ごくふつうの人がやるような、とか、子供らしい遊びをしないできた人。あるいは自然の環境ってものを知らない人は、どうも妙な音楽やるんじゃないですかね。さらに言えば、この密集した、身動きできないような所、自然を知らないで育ってゆく子供には、音楽ってのがわからないんじゃないかって...」。憂えるのは 1915 年生まれの現役最長老のチェリスト青木十良(あおき・じゅうろう)。山田耕筰や近藤秀麿など我が国クラシック音楽界の礎を築いた人々と活動を共にした大先達のひとりである。その先覚者青木から編著者が一年余にわたって聞き出した音楽と音楽人についてのエッセンス。音の出し方、音楽の組み立て方、楽器を学ぶとはどういうことか?音楽に対する彼我の考え方、捉え方の違い。青木がもっとも憂慮するのはいびつな育てられ方をした日本人が創るいびつな音楽。しかし、この青木の憂いはひとり音楽界に限らない。教育、法曹、警察、医学などわれわれが究極の状況において係らざるを得ない、もっとも倫理を要求される分野ですでに相次ぐ異常事態として現実のものとなっている。そのすべてが人間らしくない育てられ方に起因するといって良いだろう。パイロットの免許を持つ青木は演奏に飛翔感を求める。メロディとリズムが最良のバランスを得たときの飛翔感を求めて青木は今日もチェロを弾く。 JT (稲岡)

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