タイトル:『だれが「音楽」を殺すのか?』
編著者:津田大介
初 版:2004年9月21日
出版社:翔泳社
当サイトの年末企画「この1枚 2004」で『うたううあ/ううあ』が本年のベストと断じたコントリビュータの多田雅範は、(CCCDを外して再発すべき)と、但書を付けた。勤務でクルマを使う機会の多い多田はカー・ステレオでの再生がままならかったのか、CDウォ−クマン用にコピーが欲しかったのか、あるいはマイ・コンピレーションが叶わぬ怒りが原因か。はたまた、音質の劣化に苛立ったのか。CCCD(コピー・コントロールCD)の場合、何れもが起こり得る商品である。しかも、カーステが受付けなかったとて返品はきかない。
違法コピー防止のためのCCCDがリスナーの深刻なCD離れを招いたともいわれている。海外メイカー製造による日本原盤CDの逆輸入(いわゆる環流CD)阻止のための輸入権が洋盤輸入にも少なからぬ影響を及ぼす可能性がある。アメリカで爆発した音楽のネット配信が日本ではなぜ遅々として進まないのか。などなど新世紀に入ってわが国の音楽業界はその存立を揺るがす大きな問題に直面してきた。それらの問題を在学中(早大社会科学部)から執筆活動を展開してきた著者がひとつひとつ掘り起こし綿密に検証していく。第一線で活躍する評論家、プロデューサー、ミュージシャンのインタビューも現場の本音を伝えて生々しい。これらの問題はひとり産業界だけで解決し得るものではなく、ミュージシャンやリスナーもともに立ち向かわねばならないとする筆者の意見は強い説得力に富む。
JT
(稲岡)
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