UPDATED 02.27.2005

ジャズはかつてジャズであった
タイトル:『ジャズはかつて ジャズであった』
著 者:中野宏昭
初 版:昭和52年4月25日
出版社:音楽之友社
定 価:¥1,600

腰巻コピー:ジャズを、そして人生を駆け抜けていった31年の生涯 ジャズメンとの出会いと別れのはざまに記された内なる対話



この著書はもっと早く、あるいはイの一番に紹介されて然るべきだったかも知れない。ジャズの来し方、行く末、そしてジャズとは何か、のすべてがきわめて明快にかつ論理的に語られているからである。著者はそれを語リ尽くすのにわずか11頁を要しただけである。タイトルにもなっているエッセイ「ジャズはかつて ジャズであった」がそれである。著者はそのなかでチャーリー・パーカー(享年34才)に始まる天才の夭逝を次々に列記し、彼ら、金のために身体を張って演奏していたジャズメン達の死と共に、ジャズも死んだ、と断じている。このエッセイの初出は詩誌「ユリイカ」で、1976年1月号。彼が不帰の客となったのは1976年3月17日であった。
本書は、2編の秀逸なマイルス・デイヴィス論からなる「虚構からの凱歌」、エッセイ集「ジャズはかつて ジャズであった」、ライナ−ノーツ集「出会いの情景」の3部構成。どこを切ってもジャズをジャズ以下でもなくもちろんジャズ以上でもなくきっぱり等身大に捉えているところが潔い。
日本のジャズ・ジャーナリズムはこの俊英の喪失を未だに埋め切れないでいる。 JT (稲岡)

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