UPDATED 03.13.2005

人はだれも音をきかない日はない
タイトル:『人はだれも音をきかない日はない』
著 者:鍵谷幸信
初 版:1977年5月25日
出版社:集英社
定 価:¥980
腰巻コピー:音に遊ぶ人 音に学びたい人 そして何よりも音を愛するあなたへのメッセージ
僕はしがないポエジーの渡世人。ある時、詩のことばの森で道に迷ったんだ。そんな時、聞こえてきた音の世界。マイルス・デイヴィス、シュトックハウゼン、ローリング・ストーンズ、etc。そこに音とことばの出会いが始まった。深入りすることもあれば、すぐに別れる場合もある。音とことばと僕の交際。

鍵谷幸信。前掲の中野宏昭『ジャズはかつて ジャズであった』のあとがきを記した。北海道旭川生まれ。慶大教授。英文学専攻。西脇順三郎門下、T.S.エリオットやエズラ・パウンドを研究。『スイング・ジャーナル』編集員の中野に誘われてジャズについて書き始める。門外漢を自認し、とくにフリージャズ(と現代音楽)を切りまくった。著者あとがきにいう;「ぼくにとっては現代音楽も、ジャズも、別に区別する必要はない。(中略)高橋裕治の弾いたサティのピアノ曲を聴きながら、ピカビアの絵を見たり、コクトオの詩を眺めたすぐあとで、マイルスの『ウォーター・ベイビーズ』を聴いても、なんの違和感もない」欧米では当たり前のこのようなアートの享受が日本では異端視される不思議。本書は73年から数年間にわたって著者がさまざまな媒体に執筆したエッセイをまとめたもの。1部はアルバート・アイラーを中心とするフリ−ジャズ編、2部はシュトックハウゼンを中心とする現代音楽編。吉祥寺、新宿、渋谷を三拠点として語りまくった著者の真骨頂はあるいはライブにあったのかも知れない。1部の末尾に収められた「私のジャズ日記」が著者の広範な交友関係と70年代後半のアートの諸相を伝えて面白い。1989.1.16没。 JT (稲岡)

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