
タイトル:『セロニアス・モンク 生涯と作品』
著 者:トーマス・フィッタリング
訳 者:後藤誠
出版社:勁草書房
初 版:2002年6月20日
定 価:¥3,800+税
著者は1947年ドイツ生まれのジャズ評論家。1987年にドイツで初版が出版され、10年間に判明した事実を反映させて1997年にアメリカ版が出た。さらにその後の情報を加味しての日本版の刊行。故にモンクに関してはこの著作以上の情報を網羅したものは現存しない。英語版からの翻訳にあたり訳者は原著作者と交信を重ね正確を期した。
「モンクの生涯」「モンクの音楽」「モンクの作品」の3部からなり、さらに「モンクの代表的名盤」「音楽用語小辞典」の付録が付く。そこまで徹底していながら画竜点睛を欠いているのはインデックスがないこと。とくに楽曲について。
読者は貪欲なのだ。著者と訳者の誠意は大いに買うものの。これは編集者の怠慢だろう。
英語版出版にあたって付けられたスティーヴ・レイシーの序文が楽しい。共演にあたってモンクからリズム面でクレームが付いたと言う。あのレイシー先生が!モンクがステ−ジ上で奇妙なステップを踏むのは独特のリズムをメンバーに身を以って伝えるため、とのモンク自身のコメントを読んだ記憶が甦った。
「モンクの生涯」ではモダンジャズの原点、ビバップ誕生時のシーンが活写される。
JT
(稲岡)
[ INAOKA's INDEX ] [ LIBRARY Back Number ]