UPDATED 08.31.2005

セロニアス・モンク〜沈黙のピアニズム
タイトル:『セロニアス・モンク〜沈黙のピアニズム』
著 者:ローラン・ド・ウィルド
訳 者:水野雅司
出版社:音楽之友社
初 版:1997年11月10日
定 価:2,400円+税



LIBRARY#20で紹介した『セロニアス・モンク〜生涯と作品』は、気鋭のジャズ評論家が著したものであり、本書の著者はジャズ・ピアニストであり哲学家でもある。前者はドイツ人で後者はフランス人。おそらく、セロニアス・モンク(1982年没)というジャズ・ピアノ史上最高のスタイリストについての両極を成す著作であろう。ウィルドは、モンクの周囲で何が起こったかをミュージシャン仲間や関係者から丹念に取材し、この誤解に満ちた天才の内面の深奥に迫る。自らピアニストでありながら、モンクの録音物には触れるものの楽曲解説を持ち出すことはない。そのことにより読み手のイメージがつねにモンクの人間そのものに焦点が当てられ途切れることがない。モンク・ファンにも多くの新しい発見と驚きが用意されているが、ひとりの天才音楽家の伝記として、また、唯一無二のかけがえのない人間をめぐるノン・フィクションとしても一般読者の琴線に触れる優れた著作である。
感動の多くをその語り口に負う著者ウィルドは、1960年アメリカ生まれ。パリの高等師範学校で哲学を専攻したものの14才で目覚めたジャズへの思いを断ち切れずジャズ・ピアニストの道へ。1993年、ジャンゴ・ラインハルト賞受賞。
本書でもペレアス賞(もっとも文学的価値の高い音楽書)を受賞している。2度の来日経験があり、自身のトリオ・アルバムも国内発売されている。 JT (稲岡邦弥)

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