Louis Sclavis/L’imparfait des langues

『Louis Sclavis / L ' imparfait des langues』

ECM 1954

Louis Sclavis(cl, b-cl, ss) Marc Baron(as) Paul Brousseau(key, sampling, electronics, g) Mazime Delpierre(g) Francois Merville(ds)

1.Premier imparfait《a》
2.L ' idee du dialecte
3.Premier imparfait《b》
4.Le verbe
5.Dialogue with a dream
6.Annonce
7.Archeologie
8.Deuxieme imparfait
9.Convocation
10.Palabre
11.Le long du temps
12.L ' ecrit sacrifie
13.Story of a phrase
14.L ' imparfait des langues

Recorded April 2005

 これはモナコのフェスティヴァル“ Prinntemps des Arts de Monte Carlo”の委嘱によって生まれたプロジェクトである。しかし、2005年のフェスティヴァルで初演が行われる筈の前日、レーニエ大公が逝去したことで、それは一年先に延びてしまい、奇しくもレコーディングのほうが先に行われることになってしまった。つまりこの録音は、このプロジェクトでの最初の演奏なのである。
  ルイ・スクラヴィス特有のフレージングや曲想が立ち現れた瞬間、このまま展開するのかと思いきや、それはあっさりと裏切られる予感が。そして、やはりその通りの結果に。スクラヴィス以外のメンバーは、彼の息子であってもおかしくない若手ばかりだ。ジャズ的なアドリブ展開する20代のマルク・バロン、“ビッグ・ナポリ”にも参加しているキーボードやエレクトロニクスを扱うポール・ブルッソー、メデリック・コリニョンの“コレクティーフ・スラング”のメンバーでもあるギターのマクシム・デルピエール、唯一人スクラヴィスのバンドでの共演歴があったドラマーのフランソワ・メルヴィル、それぞれ異なったバックグラウンドを持つ。地中海的な感性のなせるまま、それぞれの微妙に異なるコトバが交錯し、すれ違いざまに見える断層に、イマドキのフランスの音楽シーンが浮かび上がってくる。そして、タイトルにあるとおりの不完全さ、その中にこそ思いがけない発見がある。それを可能せしめている器がジャズなのだ。スクラヴィスのクラリネットの音色は相変わらず美しく、蠱惑的なオトナの世界も垣間見えたりするが、このプロジェクトの決め手は若者達にある。彼らが暴れれば暴れるほど面白くなるように思うのだ。今年、ミュンスターのジャズ・フェスティヴァルにも出演したようだが、本格的なライブ活動とその変化を期待したい。JT

(横井一江)

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