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『Axel Doerner & Toshimaru Nakamura/vorhernach』 ftarri _ 221 Axel Doerner(tp) Toshimaru Nakamura(no-input mixing board) 1.nachhervor 2.vornachher Recorded by Axel Doerner at Thomas Ankersmit’s flat in Berlin, August 16, 2005 90年代の終わり頃から「即興音楽の新たなパラダイム(注)」と言うに相応しい変化があった。ヨーロッパのあちこち、ベルリン、ロンドン、ウィーン、スイス、フランス、イタリアなど各地で、それまでの即興音楽の概念をうち崩すような表現を試みる若いミュージシャンが次々と現れる。よりサウンド志向の強い演奏は、ある意味クリシエの連続と化した即興音楽へのアンチテーゼであり、音楽における論理性、弁証法的展開を問い返すものと受け取れた。そのサウンド自体、日本では「音響派」という言葉で乱暴に括られたこれまたサウンド志向の強いミュージシャンの演奏に近いものがある。しかし、そこに至った過程、思考は個々異なるし、それはまたサウンドにも現れていたといえる。フリージャズが一通りでなかったように、彼らも一通りの道でそこに辿り着いたわけではないのだ。彼らのやっていることは、不思議と数十年前に実験音楽家が試みたことに類推点が多々あり、それもまた興味深いものがある。 注1:第8回ダルムシュタット・ジャズフォーラムにおけるペーター・ニクラス・ウィルソンの講演のタイトル。即興音楽の新たな動きについては、いずれ論考を試みたい。 (横井一江) |