『John Butcher Group/somethingtobesaid』

WEIGHT OF WAX WOW02

Chris Burn (p) Gino Robair (per) John Butcher (sax,pre-recordings) John Edwards (b) Thomas Lehn (syn) Dieb 13 (turntables) Clare Cooper (harp/ghuzeng) Adam Linson (b, electronics)

Recorded in November 2008 in concert at the Huddersfield Contemporary Music Festival

 イギリスのサックス奏者ジョン・ブッチャーは、エヴァン・パーカー後の世代を代表する即興音楽家である。驚くべきテクニックによって繰り出されるボキャブラリーの豊かさ、シチュエーションによって選択肢を変える柔軟性、彼の演奏はヨーロッパ・フリー第一世代と呼ばれたミュージシャンとは明らかに異なったサウンド戦略を持つ。そして、その楽器演奏はフリージャズで特徴的なパワープレイとは異なり、ミクロからマクロまで音色やテクスチャーを似たようなサウンドでも微細に変化させている。
 ソロ、デュオ、トリオで演奏することが多いブッチャーだが、2008年12月のハダースフィールド・コンテンポラリー音楽祭では特別編成のグループで<somthingtobesaid>という作品を演奏、それをCD化したのが本作である。盟友クリス・バーン、デュオ他での共演も多いジョン・エドワーズの他に、アナログ・シンセサイザーのトーマス・レーンなど英独米墺豪のミュージシャンによってこのグループは編成されることとなった。
 エレクトロニクスを用いる奏者とアコースティックな演奏をする奏者8名がそこに居たわけだが、ストイックな音響、あるいはノイジーなサウンド、時にはブッチャーの抑制されてはいるが楽器的な演奏などがスコアに基づいて重ねられ、綴られていく。そのサウンド構成には、50年代、60年代の初期の電子音楽にも影響を受けたというブッチャーの嗜好も窺える。耳慣れない人には不思議な音楽かもしれない。だが、ソノリティを重視した広がりのある音響空間は、饒舌過ぎる音楽に馴染みすぎた耳にはフレッシュで、とても美しくきこえるのだ。JT

(横井一江)

*2008年12月にBBC Radio3でオンエアされた際、彼のスコアがBBCのサイトにアップされていた。
http://www.bbc.co.uk/radio3/jazzon3
/somethingtobesaidscore.pdf

*日本での取扱状況は不明だが、下記オンライン・ショップで購入できる。
http://www.ftarri.com/cdshop/index.html

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