Alexander von Schlippenbach/TWELVE TONE TALES VOL.1&2

『Alexander von Schlippenbach/ TWELVE TONE TALES VOL.1』

Intakt(スイス) CD 115

Alexander von Schlippenbach(p)

1. TWELVE TONE TALES
  Invention/Paraphrase
2. DEVICES AND DESIRES
3. K 2
4. ALLEGRO AGITATO (Bernd Alois Zimmermann)
5. THE ONE
6. TWELVE TONE TALES II
  Invention a, Paraphrase, Invention b
7. ONLY THING LEFT
8. MEO
9. LOK 03

All compositions by Alexander von Schlippenbach except <Allegro Agitato> by Bernd Alois Zimmermann

Recorded June 14 − 16, 2005 at SWR Studio 1 in Baden-Baden


『Alexander von Schlippenbach/TWELVE TONE TALES VOL.2』

Intakt CD 116

Alexander von Schlippenbach(p)

1. TWELVE TONE TALES III
  Invention a / Paraphrase / Invention b
2. BISHOP
3. ALLEGORESE
4. WILDCAT ' S PROPER HIT (AKI)
5. BORN POTTY
6. ALL JAZZ IS FREE
7. TWELVE TONE TALES IV
  Invention a / Paraphrase / Intervention b
8. OFF YOUR COAT HASSAN
9. LES
10. SOMETHING SWEET, SOMETHING TENDER
11. OUT THERE
12. ALL THE THINGS YOU ARE
13. TRINKLE TINKLE

All compositions by Alexander von Schlippenbach except <Les>, <Somehting Sweet, Something Tender>, <Out There> by Eric Dolphy, <All The Things You Are> by Jerome Kern and <Trinkle Tinkle> by Thelonious Monk

Recorded June 14 − 16, 2005 at SWR Studio 1 in Baden-Baden

“モンクス・カジノ”が大きな話題となり欧米で高い評価を得るなど、ヨーロッパのジャズ・シーンで再び大きな注目を集めているアレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハ。今年( 2006年)のベルリン・ジャズ祭ではグローブ・ユニティの40周年記念コンサート、そして数カ所でコンサートとレコーディング、また、もう30年以上にわたって続いているエヴァン・パーカー(sax)とポール・ローヴェンス(ds)とのトリオでのツアーも行うなど、年齢を感じさせないヴァイタリティには驚かされる。
そのシュリッペンバッハの最新作はソロ・ピアノ集。グローブ・ユニティの対極ともいえるピアニストとしての世界だ。 Vol.1は師であったベルント・アイロス・ツィンマーマンの作品<Allegro Agitato>以外は彼の作品、Vol.2ではエリック・ドルフィーやセロニアス・モンクの作品も演奏。タイトルが示しているように、オリジナル作品には現代音楽的なアプローチが見られるし、構成感などさまざまな場面で現代音楽の影響が感じられる。それはつまり、ツィンマーマンに師事し、影響を受けたように、現代音楽にもひとかたならぬ興味を持ち続けていたシュリッペンバッハゆえの独自の作曲世界といえるだろう。そこには彼の集約された音楽美学がある。言い換えれば、シュリッペンバッハの約半世紀にわたる音楽生活から得られた世界が集大成されたといもいえるアルバムだ。
ピアニストとしても達観した境地を聴かせてくれる。シュリッペンバッハ作品を弾くには彼自身が一番なのは言わずもがななのだが、彼はモンク弾きとしてもワン・オヴ・ベストだ。これは、シュリッペンバッハの代表作の一つに数えられるし、歴史的にも名盤として時代を超えて残っていく作品だろう。
ただし、誤解がないように記すが、いわゆるフリージャズではない。アンソニー・ブラクストンやジョージ・ルイスなどの音楽を 60年代のフリージャズと区別してアメリカン・クリエィティヴ・ミュージック(ACM)と呼んでいるというが、その呼称にならえばシュリッペンバッハの音楽はまさにヨーロピアン・クリエィティヴ・ミュージックであり、そのひとつの到達点がここにある。
以前、セシル・テイラーが雑談の中でこうつぶやいていた。「アレックスは 60年代ヨーロッパで僕と同じようなことをやろうとしていた」。ピアニスト多しといえどセシル・テイラーに伍するピアニストは彼しかいない!

国内での流通状況はよくないが、 Intakt Recordsの下記HPから購入可能。
http://www.intaktrec.chJT

(横井一江)

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