『Irene Schweizer/A Film by Gitta Gsell』

Intakt Records ? Intakt DVD 121

Louis Moholo(ds) Maggie Nicols(vo) Joelle Leandre(b) Pierre Favre(ds) Co Streiff(sax) Han Bennink(ds) Fred Anderson(sax) Hamid Drake(ds) La Lupa(vo) Jurg Wickihalder(sax)

- A Film by Gitta Gsell(75min / 16:9 / PAL)
Original Version: Swiss German, German, English
Subtitles: German, English, French, Spanish
- Specials:
1.Jazzfestival Willisau 2004: Irene Schweizer, Fred Anderson, Hamid Drake (22min)
2. Moods Zurich 2003: Irene Schweizer, Han Bennink (34min)

Buch & Regie: Gitta Gsell
Kamera: Hansueli Schenkel
Montage: Kamal Musale, Gitta Gsell
Musikalische Beratung: Juliana Muller
Ton: Dieter Meyer,
Sprecher: Gilles Tschudi,
Sound Design: Christian Beusch
Produced by Franzika Reck.
Reck Filmproduction Zurich. www.reckfilm.ch
Coproduced by Intakt Records

60年代後半、ヨーロッパ・フリー・ミュージックの草創期からその現場に女性がいたことは驚きだった。当時のマッチョな音楽シーンの中で紅一点といっていい貴重な存在だったのは、イレーネ・シュヴァイツァー。スイスで生まれ、10代でジャズの演奏を始めた彼女の歩みは、戦後のヨーロッパのジャズ・即興音楽シーンの変遷とシンクロしている。
本作は、そんなシュヴァイツァーの演奏を記録した様々な画像に、ミュージシャン仲間や関係者の証言も入れ、彼女自身のプロフィールを重ね合わせて編集したフイルムをDVD化したもの。戦後のスイスでジャズに興じる人々、1968年の学生運動、80年代の女性運動を撮影した画像なども挟み込み、背景としての時代の空気をよく伝えている。実はフリー〜即興音楽は、足が地についた音楽なのである。また、70年代にスイス音楽協同組合を結成するなど、積極的に組織者として活動してきた彼女のあまり知られていない側面も紹介しているのがいい。ついでながら、彼女はIntakt Recordsのパートナーであり、タクトロス・フェスティヴァル立ち上げの発案者でもある。
シュヴァイツァーのピアノはパーカッシヴな演奏に特徴があるが、その原点は60年代、チューリッヒのアフリカン・カフェで南アフリカ出身のミュージシャンの演奏に多く触れたことも関係しているのではないかと、このフィルムを見て思った。ジョニー・ダイアニと南アフリカを訪れるシーンなどでは、モンタージュ的な手法も用い、画面構成や編集も工夫が凝らされており、音楽ビデオにありがちな凡庸さがなく、実にいい。
80年代、ジャズ・即興音楽シーンで才能豊かな女性ミュージシャンが多く出てきたことから、ジャズ・フェステヴァルなどではよく特集が組まれた。今や元気な女性達が、ジャズ・即興音楽シーンで活躍しているが、シュヴァイツァーはまさにその草分けなのである。そんな一人の先進的な音楽家を多面的に捉えた優れたドキュメンタリーである。JT
(横井一江)

注1:DVDは録画方式(PAL)の関係上、通常のDVDプレイヤーでは見られませんが、パソコンでは見られます。ただし、全ての機種で可能かどうかはわかりません。
注2:国内のレコード店での取り扱いは不明ですが、Intakt RecordsのHPでも購入できます。
http://www.intaktrec.ch/

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