八木美知依、インゲブリグト・ホーケル・フラーテン、ポール・ニルセン・ラヴ/ライヴ!アット・スーパーデラックス
『八木美知依、インゲブリグト・ホーケル・フラーテン、ポール・ニルセン・ラヴ/ライヴ!アット・スーパーデラックス』

Bomba/BOM 26002 定価:¥2,730(税込)

八木美知依(20絃箏、17絃箏)インゲブリグト・ホーケル・フラーテン(ベース、エレクトロニクス)ポール・ニルセン・ラヴ(ドラムス)

●Intro〜Monsoon〜Ai no Corrida/Bow Derek/Bl by Bl/Stavanger Banger

プロデューサー:マーク・ラパポート
録音&MIX live by Shigetake Ao @スーパーデラックス 東京、2005年4月8日

 2005年4月、東京で開催された「ノルウェー・ジャズ・ウィーク」の最中、アトミックの一員として来日したポール・ニルセン・ラヴとインゲブリク ト・ホーケル・フラーテンと箏奏者の八木美知依のセッションが六本木スーパーデラックスで行われた。この時の録音をCD化したのが本作。当夜、スーパー デラックスに行った人たちの誰もが絶賛した三者のパフォーマンスの全貌が、見事な録音とマスタリングで蘇る。それどころか、聴き手の耳に届くひとつひと つの音のリアルさは当夜以上かもしれない。
 八木は弦楽器の弓や棒状のスティックで箏の絃をこすったり叩いたりもする。ニルセン・ラヴのドラムスとフラーテンのベースの音と共に、三者の打音と擦 音は乱反射しては集束し、歪(ゆが)み、時に悲鳴を上げる。ノルウェーの二人と八木は当夜初めて会ったにもかかわらず、三者による即興演奏は驚異的な密 度で進むのだ。繊細かつ音響的な音場を作り出す場面にあっても、その密度は決して薄まらない。打音と擦音を中心とした即興演奏の優れたものは、聴き手の 身体に本来そなわっている即興への欲望 (自らも即興に参加したいと願う心) を呼び覚ますものだが、彼らの演奏はまさに!
 本CDのレコ発ライヴとも言えるのが、7月8日(2006年)にノルウェーのコンクスベルグ・ジャズ・フェスティヴァルで行われた3人の再会セッショ ンだった。ただしベースのフラーテンは都合がつかなくなり、トリオの一角を同フェスに出演していたペーター・ブレッツマンが相務めるという素晴らしいお まけがついたのだが。
 コンクスベルグでは屋外(建物の中庭)ということもあり、本CDでも聴かれるようなデリケートな音の受け渡しや、八木のエレクトロニクスを使った音響的アプローチが十全に活かされたとは言いがたい。屋内の良い環境で、再び三者によるパフォーマンスが日本で実現されることを願うものだ。いや、本CDを聴いた人すべてがこの再会セッションを願うに違いない。 JT
(原田正夫)

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