『豊住芳三郎 & EXIAS-J/Son's Scapegoat』

Bishop Records EXJP015

豊住芳三郎(dr), 近藤秀秋(el-g), 谷川卓生(el-g,pec), 宮崎哲也(electronics), 神田晋一郎(pf), 河崎純(b)
guest:入間川正美(cello), 狩俣道夫(fl,ss), 浅井祐一(tb)

1) Broadening Distribution: cencerto:近藤, 谷川, 神田, 宮崎, 河崎, 豊住
solist:狩俣道夫(fl)
2) Shiftin:近藤, 谷川, 神田, 宮崎, 豊住
3) Seven:近藤, 谷川, 神田, 宮崎, 河崎, 豊住
wind inst.:狩俣道夫(ss), 浅井祐一(tb)
4) On Bishopsgate:近藤, 谷川, 神田, 河崎, 豊住
solist:入間川正美(cello)
5) Improvisation050403:近藤, 谷川, 神田, 河崎, 豊住

録音:Crescente studio April 3, 2005

豊住芳三郎と若手即興演奏集団 EXIAS-J 共演作がリリースされた。EXIAS-J(Experimental Improviser's Association of Japan)はジャンルを超えた即興演奏家のアソシエーションで、プロジェクトにより参加する演奏家は変わるが、地道に活動を展開し、海外ツアーやダンス、映像などとのコラボレーションも試みている。また、最近はトリスタン・ホンジンガーやフランク・グラトコウスキィ、ミッシェル・ドネダなどとの共演も行い、今秋には ICP との共演も計画しているとか。本作は EXIAS-J の中心的プロジェクトだった“EXIAS-J electric conception”にロシア〜リトアニアを共にツアーした豊住が参加するカタチで録音された。
作品上で即興演奏は大きな位置を占めるが、構造は作曲されている。響が重要視され、それによりサウンド空間を立体的に構築しているが、音が流動的に交錯し、離散する展開の中に日本的な時間感覚と造形美を感じた。日本のフリージャズの草分けともいえる豊住だが、積極的に若手とも共演を重ねていく前向きな姿勢には脱帽させられる。パワフルなフリードラミングと共に空間を音響的に構築する手腕は見事で、世代が異なるミュージシャンとの共演ということで間々生じる違和感がない。完全即興ではなく作曲作品であることが、インプロで陥りやすいクリシエを回避し、寧ろ即興部分の自由度を高めているといえるだろう。録音の音質の良さが、音楽性を伝えるのに貢献している。近藤のノーツによると“EXIAS-J electric conception”でのCDはこれを最後にするという。本作は、彼らの発展的歩みを伝える好記録であり、ひとつの到達点を伝える記念碑的作品だ。 JT
(横井一江)
CDはBishop Records online shopからも購入できる。
http://www.realarts.org/

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